子供の頃から特に不自由なく生活し、成績も優秀とされていました。
そんな私が高校三年生になり、少しずつ毎日が変化し始めました。
受験勉強の始まりと体調の変化
高校三年生になると本格的に受験勉強が始まり、部活の最後の大会も控え生活が一気に忙しくなりました。
夜八時まで部活に励み、その後は十時まで予備校。
寝るのは日付が変わってからでしたが、勉強と朝練のために朝四時には起きていました。
そんな生活を続けていたある日、違和感を覚えます。
どうしても足が予備校に向かない。
無理やり行き続けましたが、疲れとだるさはどうしても取れないどころか、日を追うごとに強くなっていきました。
うつ病の診断と寝てばかりの日々
そんなある日、休日に予備校に向かう途中で、公園のベンチに座ったきり動けなくなりました。
ただ体が重く、悲しいことなどないのに涙が溢れて止められなくなりました。
夕方、家に帰ってからは食事をする気力もなく、ただずっと寝ていました。
それからはしばらく学校にも行けなくなり、ただ寝るだけの日々。
見かねた母が心療内科に連れていき、そこでうつ病と診断を受けました。
お受験ママの勉強指導によりうつ病になってしまった体験談もありました。
こちらも参考にして見て下さい。
自分は無価値であるという思い
その後なんとか学校には復帰しましたが、とても受験ができるような状態ではなく、浪人することになりました。
勉強も趣味もやる気が起きず、一日のほとんどをぼんやりして過ごす日々が続きました。
勉強しようと思い立つ日もありましたが、うつ病を発症する前の内容すらも全くわからないことがショックでした。
小学生の頃から頭が良いと言われてきた私にとって、勉強できなくなったこと、内容が全くわからないことは、耐えがたい苦痛でした。
また、「両親は一生懸命働いているのに私は寝てばかりでろくに勉強もできない」という罪の意識、「同級生は忙しくても乗り越えられたのに」という劣等感も重なり、自分に生きている価値はないと繰り返し思いました。
薬と心理療法の効果
心療内科で処方される薬を一年ほど服薬したころ、少しずつ体調が良くなり、勉強も少しずつできるようになっていきました。
何度か薬を変えましたが私が主に飲んでいたのはサインバルタとエビリファイという薬で、この二つの薬が私にとって相性がいいようでした。
それと同時に心理学に関する本を買い、どうすればもっと楽に生きられるのか考えました。
特に役に立ったのは認知行動療法の本で、この本をもとに自分の考え方のクセや、間違った思い込みなどを見つけることができました。
新たな趣味との出会い
また、新たに趣味を見つけたことも回復を後押ししました。
自分のできること、好きなことを少しずつしていく中で、私は作曲という趣味に出会い、知識を深めていきました。
うつ病の症状には波があり、落ち込むとき、やる気が出ないときも度々ありましたが、作曲をするようになってからはそれをきっかけに立ち直る場面も多かったです。
その後、生活にメリハリがつき、受験勉強との両立もより上手くできるようになっていきました。
現状とこれからへの期待
現在、私は無事にとある大学に合格し、大学生活を送っています。
闘病中に見つけた趣味である作曲は今も続けており、技術を磨いている最中です。
薬は今も飲み続けていますが、落ち込んだりやる気が出なくなったりすることは以前に比べて格段に少なくなりました。
これからは自分の好きなことを続けつつ、マイペースに日々を送れたらと思っています。
また、ゆくゆくは薬を使わず自分の気持ちをコントロールできるよう、心や体と相談しながら生きていきたいと思います。