『さむわんへるつ』登場曲まとめ!音楽プレイリストで浸る深夜ラジオ

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『さむわんへるつ』登場曲まとめ!音楽プレイリストで浸る深夜ラジオ

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深夜1時。イヤホンを片手に、電気を消した部屋でスマホの画面だけがぼんやり光っている。そんな時間に『さむわんへるつ』を読んでいると、ある瞬間、決まって手が止まりませんか。

作中ラジオ「月曜ミッドナイトトーキング」——通称・月ミドで、曲が流れるコマ。

ページの中では音なんて鳴っていないのに、なぜか脳内で前奏が始まる。しかもそれが、自分が高校の頃に死ぬほど聴いた曲だったりする。フジファブリックの「若者のすべて」だったり、スピッツの「ラジオデイズ」だったり、サンボマスターの叫びだったり。

そこで多くの読者が同じ行動を取ります。漫画を閉じて、Spotifyを開く。

これ、めちゃくちゃ正しい読み方です。というか、作者のヤマノエイ先生はほぼ確実にそれを狙っている。『さむわんへるつ』は、読むだけで完成する漫画ではなく、聴いて初めて100%になる漫画だからです。

この記事では、作中で流れた・ネタにされた実在の楽曲を丸ごと洗い出し、「なぜその曲がそこで鳴ったのか」を一曲ずつ解剖していきます。さらに、読みながら流すための「月ミド風プレイリスト」の組み方、lofi radioとの併用テクニック、SNSでシェアしたくなる並べ方まで、深夜テンションで全部書きます。

読み終わる頃には、あなたのライブラリに30曲くらい追加されているはずです。そして、たぶん今夜は寝られません。責任は取りません。

『さむわんへるつ』の音楽が刺さる理由──深夜ラジオという最強の「選曲装置」

まず前提の整理から。ここを押さえておくと、後半の曲リストの味が3倍濃くなります。

そもそも『さむわんへるつ』ってどんな漫画?

『さむわんへるつ』は、ヤマノエイ先生による週刊少年ジャンプ連載作品。2025年42号から連載がスタートし、新連載時のアオリでは「真夜中ラジオラブコメディ」と紹介されました。

主人公は真面目で勤勉な生徒会長・梟森未明(ふくろもり・みめい)。そしてクラスメイトの、不思議でマイペースな水尾海月(みずお・くらげ)。2人の共通の趣味が「深夜ラジオ」で、面白くなりたいミメイは番組内の大喜利コーナーへ密かに投稿を続けていた。そんな中、くらげから「憧れの有名リスナー『うなぎポテト』は自分だ」と明かされる——ここから物語が転がり出します。

つまりこの漫画、ジャンルとしては王道ラブコメでありながら、題材が**「深夜ラジオのハガキ職人」**という、とんでもなくニッチな場所に刺さっている。

週刊少年ジャンプは『アオのハコ』『ひまてん!』『ウィッチウォッチ』『鵺の陰陽師』『しのびごと』と恋愛系が増えてラブコメ戦国時代になっていますが、その中で『さむわんへるつ』は異色の設定でサブカル要素を強く打ち出している作品として語られています。

ライターのキットゥン希美さんは、「深夜ラジオのハガキ職人というサブカル的な題材で、適度にゆるいお笑いなので斬新な読み心地」「ヒロインの造形もジャンプのラブコメとしては珍しく、海月はいわゆるジト目キャラで感情が読み取りにくい脱力系。ポーカーフェイスと見せかけて時折素直な感情を覗かせるギャップは破壊力抜群」と評しています。

この「サブカル要素」の中核にあるのが、音楽です。

「月ミド」という作中ラジオが果たしている、隠れた主役の役割

物語の中心には、お笑い芸人・ロングホープズがパーソナリティを務める深夜ラジオ番組『月曜ミッドナイトトーキング(通称・月ミド)』があります。

ミメイとくらげは、この番組に向けてネタメールを投げ続けるリスナー。つまり月ミドは、2人にとって教室でも家でもない第三の居場所です。

そして、ラジオ番組である以上、当然のように曲が流れる。ここが本作の一番エモい仕掛けなんですよ。

漫画の中で「曲が流れるコマ」って、本来かなり不利な表現です。音が出ないんだから。ところが『さむわんへるつ』は、そこに実在の曲名を置く。すると何が起きるか。

読者の脳内で、勝手に音が鳴る。

しかもその音は、読者ひとりひとりの記憶に紐づいた音です。同じ「若者のすべて」でも、Aさんの脳内では高3の夏の帰り道が再生され、Bさんの脳内では大学の学祭の打ち上げが再生される。作者が描いていない部分を、読者の人生が埋める。これ、漫画表現としてかなりズルい。ズルいけど最高です。

深夜ラジオの選曲は、パーソナリティの「中身」がバレる場所

実際のラジオでも、選曲は番組の人格そのものです。

ラジオの選曲パターンをざっくり分けると、①リスナーからのリクエスト、②宣伝を兼ねた最新曲、③パーソナリティ自身の選曲、の3つ。月ミドは基本的に③のタイプで、だからこそ「ロングホープズという芸人が何を聴いて生きてきたか」がそこに滲みます。

これ、リアルの深夜ラジオでもよくある現象で、『霜降り明星のオールナイトニッポン』ではせいやさんが『NARUTO』ファンなので、番組でOP曲が流れることがある。曲の趣味から人となりが見えるからこそ、電波に乗った声に温度が宿るわけです。

つまり『さむわんへるつ』における選曲は、単なるBGMじゃない。キャラ紹介であり、その回の感情の答え合わせなんです。

だから曲名を見つけたら、必ず聴いてほしい。「なぜこの回にこの曲だったのか」を考えるところまでが、この漫画の遊びかたです。

「選曲が浅い」論争すら、この作品の楽しみ方の一部

ちなみにネット上では、月ミドの選曲について「アーティストがマイナー寄りなだけで、選曲としては無難すぎるのでは」「サブカル好きが食いつきそうなバンド名を並べているだけに見える」といった、好意的な前のめり批評も出ています。

これ、批判に見えて実はめちゃくちゃ健全な現象です。

だって、選曲について本気で言い争いが起きるってことは、読者が全員ラジオリスナーの目線で作品を見ている証拠だから。「今週の選曲どうだった?」って話せる漫画、そうそうありません。

しかも同じ書き手が『ばかまじめ』が使われた回については「爆アゲだった」と手のひらを返しているあたり、めちゃくちゃ人間味があって好きです。文句を言いながら毎週読んでる。これぞリスナー。

というわけで、あなたも参戦資格があります。まずは全曲を把握するところから始めましょう。

『さむわんへるつ』登場曲・実在楽曲まとめ30曲!ジャンル別に聴きどころを全解剖

ファンの手によって、「劇中ラジオで流れた曲+劇中でネタにされた曲」をまとめたSpotifyプレイリストが作られており、2026年7月末時点で30曲・約2時間5分のボリュームになっています。

ここではその30曲を、性格別に5つのブロックへ仕分けして紹介します。「どの曲がどの回で流れたか」は連載を追いながら答え合わせしてほしいので、ここではあえて曲そのものの味と、月ミドで鳴った時の破壊力にフォーカスします。

①青春ど真ん中・血が沸くロック枠

まずは、深夜のテンションで聴くと涙腺と血圧が同時に上がるゾーンから。

.銀杏BOYZ「BABY BABY」
峯田和伸の絶叫が、初期衝動そのままの形で保存されている一曲。うまく歌おうとか、かっこよく見せようとか、そういう計算を全部投げ捨てた声です。「面白い人間になりたい」ともがくミメイの内面BGMとして、これ以上ハマるものはちょっと思いつかない。深夜に大音量で聴くと、翌朝の自分が少し恥ずかしくなるタイプの名曲です。

.サンボマスター「世界をかえさせておくれよ」
サンボマスターって、音楽というより「熱い手紙」だと思っています。山口隆の歌は、聴き手を励ますんじゃなくて、聴き手の代わりに叫んでくれる。ハガキを書く手が止まった夜に、これを流されたら書くしかない。ずるい。

.KANA-BOON「ないものねだり」
イントロのベースだけで青春が起動する曲。持ってないものを欲しがる気持ちの歌なので、「憧れのリスナーに追いつきたい」という本作の骨格と直結します。軽快なのに、歌詞の芯はけっこう切実。

.ハルカミライ「世界を終わらせて」
ライブハウスの床の匂いがするバンド。荒っぽいのに、なぜかまっすぐ優しい。深夜ラジオで急にこれが流れたら、寝るつもりだった人が起き上がります。

.ASIAN KUNG-FU GENERATION「マイワールド」
アジカンは「自分の世界に閉じこもっている人間」を描かせたら日本一。閉じた世界を肯定しつつ、そこから外へ出る扉も同時に描く。ミメイという「真面目すぎて自分の殻から出られない主人公」に、これ以上似合う音はありません。

②エモさ最大出力・「終わり」と「夏」の枠

ここが本作の音楽面での本丸。SNSで一番シェアされるのは間違いなくこのブロックです。

.フジファブリック「若者のすべて」
説明が不要なレベルの日本語ロック最高峰。夏の終わりを描いた曲でありながら、聴くたびに違う人の顔が浮かぶ、器のバカでかい曲です。深夜ラジオという「毎週終わっては、また始まるもの」との相性が異常。この曲がかかった夜のリスナーは、たぶん誰もメールを送れずに黙って聴いていたと思う。

.山崎まさよし「One more time, One more chance」
探し続けてしまう気持ちを、これほど淡々と、これほど重く描いた曲もありません。ラブコメの文脈に置かれると威力が跳ね上がるタイプ。ギター1本と声だけで、部屋の温度を3度下げてきます。

.class「夏の日の1993」
90年代の匂いを一瞬で召喚する曲。今の高校生が主人公の作品に、あえてこの年代の曲を置いてくるセンス、わかってる感じがして好きです。深夜ラジオって世代を横断するメディアなので、この「親の車で聴いた曲」感がちゃんと効く。

.andymori「CITY LIGHTS」
短くて、軽くて、でも一生忘れられない。小山田壮平の声は「もう戻れない時間」を含んだまま鳴る。夜の街を自転車で走ってる時に流すと事故ります(比喩ではなく本当に感傷で前が見えなくなるので気をつけて)。

.斉藤和義「歌うたいのバラッド」
歌うことそのものを歌った曲。ハガキを書く=自分の言葉を誰かに届ける、という本作の主題と、静かに響き合います。

.斉藤和義「やさしくなりたい」
同じ斉藤和義でもこちらは真逆のアプローチ。強くなりたい、優しくなりたい、という願いをロックンロールで押し切る曲。真面目に空回りするミメイのテーマソング候補です。

③「ラジオそのもの」を歌った、反則級の2曲

このブロックだけは、別枠で語らせてください。ラジオ漫画でラジオの歌を流すって、もう卑怯。

.スピッツ「ラジオデイズ」
スピッツの16thアルバム『見っけ』収録曲で、爽やかなのにレトロ感もある不思議な手触りの曲。草野マサムネ自身がラジオ番組「ロック大陸漫遊記」を持っており、パーソナリティが曲を紹介するというスタイルは、まさに彼自身がかつて味わったラジオ体験の反復とも言われています。

この曲は「自分を凡人だと自覚して心の殻に閉じこもっていた主人公が、ラジオとの出会いで世界を広げ、自分らしく生きる勇気を手に入れる物語」として読まれることが多い曲です。
Jdwyl

……これ、『さむわんへるつ』のあらすじそのものじゃないですか?

「面白い人間になりたい」と願う真面目な少年が、深夜ラジオという電波の向こう側に居場所を見つけていく話。スピッツが2019年に書いた曲が、2025年に始まった漫画のテーマを先取りしている。この一致に気づいた瞬間、鳥肌が立ちました。

.the pillows「Rebroadcast」
タイトルが「再放送」。それだけで勝ち。ピロウズ特有の、少し不器用でひねくれた優しさが詰まっています。深夜ラジオを愛する人間の情緒って、まさにこれなんですよ。もう終わった放送を、何度も何度も聴き返してしまう感じ。

④笑いに全振り・ネタ枠の名曲たち

ラブコメでありお笑い漫画でもある本作らしく、「真剣な選曲」の裏でこういう曲もちゃんと転がっています。

.B’z「ultra soul」
言うまでもなくあの掛け声のための曲。真剣な場面に差し込まれた時の破壊力を考えると、笑うなという方が無理。

.ZOO「Choo Choo TRAIN」
振り付けが強すぎて、曲名を見た瞬間に全員あの円になる動きを思い出す。ギャグ回との親和性が高すぎます。

.Ado「私は最強」
自己肯定感MAXの一曲。自己肯定感が地面にめり込んでいるミメイと並べると、その対比だけで笑える。

.CANDY TUNE「倍倍FIGHT!」
SNSでバズった中毒性の塊。若い世代のリアルな音楽環境を象徴する選曲で、この曲が入ることで「今の高校生の話」という手触りが一気に増します。

.絢香×コブクロ「WINDING ROAD」
デュエット曲の定番。2人でやる何かの場面に流れたら、それだけで意味が生まれるずるい曲です。

.Whitney Houston「I Will Always Love You」
歌唱力オバケの代名詞。カラオケでこれを入れる人間には2種類しかいない、という有名なやつ。ネタとしても本気としても機能する二面性が強い。

.福山雅治「虹」
明るくて健全で、爽やかさが振り切れている曲。だからこそ、深夜のじめっとした空気に置かれると絶妙な違和感を生みます。

.Official髭男dism「Pretender」
国民的ヒット。「言えなかった気持ち」の代名詞みたいな曲なので、ラブコメ文脈だと意味が乗りすぎて逆に笑えるという珍しい立ち位置。

⑤サブカル濃度が高い、通好みの深夜枠

ここが一番「深夜ラジオっぽい」ゾーン。知ってる人がニヤッとするやつです。

.毛皮のマリーズ「ビューティフル」
2011年に解散した、志磨遼平率いるロックンロールバンド。2008年に両A面シングルとしてリリースされ、オリコン総合チャートで初登場72位を記録した曲です。今のジャンプ読者の多くは名前も知らないバンドで、だからこそ「月ミドのパーソナリティが通してきた道」が透けて見える。こういう1曲が入ってると、作中ラジオが急に実在感を帯びます。

銀杏BOYZ「恋は永遠」
BABY BABYとはまた違う顔。剥き出しの祈りみたいな曲です。峯田和伸の曲が2曲入っている時点で、この番組の性格はだいたい分かる。

.ずっと真夜中でいいのに。「あいつら全員同窓会」
バンド名からしてこの漫画のためにあるようなもの。歪んだ言葉選びと疾走感が、深夜テンションの再現度100%。

.STEREOGIRL「ぼくらはわかくてうつくしい」
若さと美しさを、少し諦めの入った音で歌うタイプ。「今この時間が特別だ」と気づいてしまった人の曲です。

.tofubeats「LONELY NIGHTS」
このプレイリストにおけるlofi枠。トラックの温度が低くて、深夜3時の部屋に完璧に馴染みます。この記事の後半で触れる「lofi radioとの合わせ技」を試すなら、この曲が入口になります。

.日食なつこ「水流のロック」
ピアノで殴ってくるタイプのロック。技術と衝動が同時に振り切れていて、初めて聴くと「なんだこれ」と声が出ます。

.MONOBRIGHT「アナタ MAGIC」
2000年代後半の邦ロック空気を凝縮した曲。当時をリアルタイムで通った人には効きすぎる。

.SUNNY CAR WASH「キルミー」
比較的新しい世代のバンドで、この曲が入ることでプレイリスト全体が「懐かしいだけ」に終わらない構成になっています。

.Creepy Nuts × Ayase × 幾田りら「ばかまじめ」
そして、話題になったのがこの一曲。選曲に厳しい目を向けていたリスナーですら「爆アゲだった」と手のひらを返した回で使われた曲です。
note

曲名がそのまま「ばかまじめ」。梟森未明という、真面目さを武器にも呪いにもしている主人公に、これ以上ど真ん中の直球があるでしょうか。タイトルだけで泣ける選曲というのは実在します。

【一覧】全30曲まとめ表

コピーしてプレイリストを作る用に、並べておきます。

銀杏BOYZ「BABY BABY」

Official髭男dism「Pretender」

サンボマスター「世界をかえさせておくれよ」

山崎まさよし「One more time, One more chance」

B’z「ultra soul」

KANA-BOON「ないものねだり」

ずっと真夜中でいいのに。「あいつら全員同窓会」

andymori「CITY LIGHTS」

STEREOGIRL「ぼくらはわかくてうつくしい」

CANDY TUNE「倍倍FIGHT!」

ZOO「Choo Choo TRAIN」

ハルカミライ「世界を終わらせて」

tofubeats「LONELY NIGHTS」

MONOBRIGHT「アナタ MAGIC」

福山雅治「虹」

日食なつこ「水流のロック」

Creepy Nuts × Ayase × 幾田りら「ばかまじめ」

毛皮のマリーズ「ビューティフル」

銀杏BOYZ「恋は永遠」

Ado「私は最強」

斉藤和義「歌うたいのバラッド」

斉藤和義「やさしくなりたい」

class「夏の日の1993」

Whitney Houston「I Will Always Love You」

ASIAN KUNG-FU GENERATION「マイワールド」

フジファブリック「若者のすべて」

the pillows「Rebroadcast」

スピッツ「ラジオデイズ」

SUNNY CAR WASH「キルミー」

絢香×コブクロ「WINDING ROAD」

こうして並べると、世代も温度もバラバラなのが分かります。90年代から2020年代まで、洋楽もアイドルもヒップホップも混ざっている。統一感がないことこそが、深夜ラジオの統一感なんですよね。

『さむわんへるつ』の世界に浸る「月ミドごっこ」プレイリスト設計術

さて、ここからが本番です。曲を知っただけでは半分。流し方まで設計して、初めて世界観に潜れます。

まず「1本のプレイリスト」を作るのをやめる

30曲を順番通りに再生する。これが一番もったいない聴き方です。

理由は単純で、実際の深夜ラジオは「曲だけが2時間流れる番組」ではないから。トークがあって、コーナーがあって、その隙間に曲がある。だからプレイリストも、役割ごとに分けて作るのが正解です。

おすすめは3本立て。

A:オープニング用(テンション立ち上げ)
BABY BABY/世界をかえさせておくれよ/ないものねだり/世界を終わらせて/倍倍FIGHT!

深夜のスイッチを入れる役。眠気を吹き飛ばして「今夜も始まった」という気分にする曲を前に置きます。

B:本編用(作業・読書のBGM)
LONELY NIGHTS/CITY LIGHTS/ぼくらはわかくてうつくしい/キルミー/アナタ MAGIC/水流のロック

漫画を読みながら、あるいは勉強や作業をしながら流す帯。歌詞に持っていかれすぎない曲を中心に選ぶのがコツです。

C:エンディング用(情緒破壊)
若者のすべて/One more time, One more chance/ラジオデイズ/Rebroadcast/歌うたいのバラッド/夏の日の1993

これは覚悟がある夜だけ再生してください。ここまで来て「明日も学校だしな」と思いながら電気を消す、あの感覚を再現するための帯です。

lofi radioとの合わせ技で「架空の局」を作る

ここ、めちゃくちゃおすすめです。

作業BGMとして人気の「lofi hip hop radio」系の配信って、実は架空のラジオ局という体裁で作られているものが多い。ジャズやヒップホップのループに、ノイズや雨音、たまにDJの声が乗る。あの構造、深夜ラジオそのものなんですよ。

なので、こうします。

まずlofi radioを小さめの音量で流し始める
『さむわんへるつ』を読む
作中で曲名が出たコマに到達したら、lofiを止めてその曲をフルで再生する
曲が終わったらlofiに戻り、漫画を再開する

これ、擬似的に月ミドを受信している状態が作れます。曲のイントロが始まった瞬間に「あ、これパーソナリティが今かけたやつだ」という錯覚が起きて、没入度が跳ね上がる。

さらに凝りたい人は、部屋の電気を消して、スマホを裏返して、イヤホン片方だけ着けてください。深夜ラジオの正しい姿勢はこれです(片耳だけ、というのが重要。もう片方の耳で、親が起きてこないか警戒するため)。

「聴く時間」を月曜の深夜に固定する

作中の番組名は「月曜ミッドナイトトーキング」。つまり月ミドは月曜深夜の番組です。

ここまでやるかという話ですが、再生する曜日と時間を合わせると体験の質が変わります。週の始まりの月曜、しかも一番しんどい月曜の夜。その終わりに深夜ラジオが待っている、という構造にこそ意味があるので。

日曜の夜に憂鬱になるのがサザエさん症候群なら、月曜の夜に救われるのが深夜ラジオ症候群です。作中のミメイとくらげが、なぜあの番組にあれだけ入れ込むのか。実際に月曜の深夜1時にイヤホンを着けてみると、理屈じゃなく体で分かります。

SNSでシェアするときの見せ方のコツ

この手のプレイリスト記事、そのまま貼っても意外と伸びません。伸びるのは「語りたくなる余白」が用意されている時です。

具体的には、こういう投げ方が効きます。

「自分だったらこの回にこの曲を流す」というリスナー選曲を1曲添える

月ミドのパーソナリティになったつもりで、勝手に選曲する遊び。これが一番リプライが伸びます。
一番刺さった1曲だけを名指しで語る

30曲全部を紹介するより、「28曲目でうるさいくらい泣いた」と1曲に絞った方が、同じ曲で泣いた人が集まってきます。
世代の違いを言語化する

「夏の日の1993が刺さる人と、倍倍FIGHT!が刺さる人が同じ漫画を読んでるのが最高」みたいな切り口。この作品の選曲の幅広さは、そのままシェアの燃料になります。

要するに、プレイリストは会話のきっかけであって、ゴールじゃないということです。深夜ラジオがそうであるように。

プレイリストと一緒にやると10倍楽しい「ハガキ職人ごっこ」

最後にもう一段だけ深く潜る方法を。

曲を流しながら、自分でもネタメールを1通書いてみてください。

送らなくていいんです。スマホのメモアプリでいい。お題は何でもよくて、「こんな深夜ラジオは嫌だ」でも「うなぎポテトの本名を予想せよ」でも構いません。

なぜこれを勧めるかというと、この作品の面白さの核心が**「面白いことを言うのって、めちゃくちゃ難しい」という実感**の上に成り立っているからです。

くらげがサラッと放つ小ボケも、ミメイが必死に絞り出す一行も、実際に自分でやってみると、その難易度が骨身に染みます。読者として笑っていた時とは、ページの見え方が完全に変わる。「くらげ、こんなの何本も思いつくのか……」と、素で戦慄します。

そして、書けない自分に絶望している時に、イヤホンから「世界をかえさせておくれよ」が流れてくる。

この体験までセットで味わって、初めて『さむわんへるつ』を読んだと言えます。断言します。

まとめ

『さむわんへるつ』は、ページの上で音が鳴る漫画です。作中ラジオ「月ミド」で流れる実在の楽曲は、単なる小道具ではなく、その回の感情を言葉にせず伝えるための装置になっています。

最後に、押さえておきたい重要ポイントを3つだけ。

① 登場曲は30曲以上。世代も温度もバラバラなのが最大の魅力
銀杏BOYZやサンボマスターの初期衝動から、フジファブリック「若者のすべて」の情緒、tofubeatsやSTEREOGIRLの深夜的な低温、CANDY TUNEやAdoの現代感まで。統一感のなさこそが、深夜ラジオという場所のリアリティを支えています。

② スピッツ「ラジオデイズ」は、この作品のテーマそのもの
凡人である自分を持て余していた人間が、ラジオと出会って世界を広げていく——という読み方をされてきた曲が、そのまま『さむわんへるつ』のあらすじと重なります。この一致に気づくと、作品の見え方が変わります。

③ プレイリストは「3本に分けて、月曜の深夜に、lofi radioと交互に」
オープニング用・本編用・エンディング用に分割し、lofi radioを挟んで疑似的に番組を受信する。ここまでやると、月ミドは架空の番組ではなく、あなたが実際に聴いている番組になります。

さて、ここまで読んでしまったあなたは、もう戻れません。

曲のリストを手に入れたということは、これから『さむわんへるつ』を読むたびに、コマの中の曲名を目で追ってしまうということです。そして毎回、漫画を閉じて再生ボタンを押すことになる。読了時間は倍になります。控えめに言って、最高の呪いです。

コミックスは既刊3巻。リスナー甲子園も、オフ会も、えびのおすしとの一触即発も、全部この先に待っています。

イヤホンを準備してください。部屋の電気は消していい。時計が深夜1時を回ったら、1巻を開いて、最初の曲を再生する。

——それでは、ここで1曲お届けします。

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