住みにごりは引きこもりの35歳の兄が登場します。彼は体型中年太りで、ビジュアルは気持ち悪くて怖い。さらに無口なので何を考えているか分からないことが不気味に感じることもある。そんな登場人物が主に出てくるのですが、なぜかその魅力に取り憑かれてしまい読みづつけてしまう。
そんな住みにごりとは一体どのような魅力があるのでしょうか?今回の記事を読めばビートたけしさんも絶賛した漫画の魅力を知ることができます。まだ作品を読んでいない方はご注意ください。
住みにごりあらすじ
本日「住みにごり」第2巻が発売です。
「ひらやすみ」の真造圭伍さん、パンサーの菅良太郎さんからとてもありがたいコメントをいただきました。
1巻共々ぜひよろしくお願いいたします!https://t.co/5UiuTlIL6h pic.twitter.com/MQppeyknA3
— たかたけし (@taka_takeshikun) September 29, 2022
何をしでかすかわからない無口で無職の兄、フミヤ、機嫌が悪くなると突然暴れだす酒乱の父、脳出血で車椅子生活の母、家を出たものの、ちょくちょく実家に顔を出す姉の長月。東京で働いていた次男の末吉は、そんな実家に戻ろうとするものの、タイミングが悪くなかなか言い出すことができない。不穏な空気が立ち込め、大事件が起こりそうな、先の展開が読めないホームドラマ。小学館「ビッグコミックスペリオール」2021年第24号から掲載されている作品。
住みにごり不気味で怖い漫画の3つの魅力
作中に見える歪な兄弟愛
本作で描かれている部分にある注目点は、主人公の弟と兄の間にある歪な兄弟愛とも言えます。引きこもりの35歳の兄と、普通ならば絶対に関わり合いたくないと、距離をとりたい相手にも関わらず、本作に出て来る弟は、兄を何かと気に掛ける存在でもあります。兄が何かしでかすのではないのかと、また兄の秘められている凶暴性を知っているが故に、兄に対して恐怖感を抱く弟と、彼の心中にある想いは、一応に兄弟愛でもあるも、それはとても歪な愛情とも言えます。兄の事を嫌悪していても、気に掛けてしまう弟と、そして何を考えているのか解らない兄との二人の関係がこの作品の面白いところです。
不気味な兄の存在感
兄が何を考えて生きているのかが解らない。この作品の中で常に謎なのが兄の存在感でもあります。料理の味にはうるさくて、親に頼まれてお駄賃欲しさに買い物に行くと、まさに社会不適合者な兄なのですが、異様な存在感を持っている兄でもあります。不気味な兄のそんな存在感が、この作品の見どころでもあり、そしてどこかコミカルな笑いを引き起こすと、妙に愛着のあるキャラでもあります。
この家族はどうなっていくのか?
本作を通して見れるのは、この家族は今後どうなっていくのかと、次の展開が気になっていく、奇妙なまでのシュールさにあります。少なくとも前向きな生き方をしていない兄に、そんな兄に振り回されてしまう弟と家族。破滅する事が容易であるも、もしかしたらと、希望を抱かずにはいられない、そんな彼らの微かな生活を見守っていきたいと、そんな気持ちにさせる読み応えがあります。
住みにごりを読む上での注意点
キャラクター造形に好き嫌いあり
漫画におけるキャラクターの造形は重要であり、兄の気味の悪さを演出する為にと、どこか不気味な雰囲気を持てせていますが、苦手な人は無理な描写が多いかもしれません。
どことなくに嫌悪感を抱かせるキャラでもあり、シュールな笑いを演出するに当たっては、及第点とも言えるも、キャラの造形では、ギャグよりなのか、それともミステリアスを追求したいのかと、読者にキャラの造形が邪魔をする場合も。
人によっては好き嫌いのある作品
この作品は人によっては好き嫌いが解れる作品でもあり、ニートを題材にしている点で、実に好き嫌いがはっきりしてしまう作品ともなっています。
兄の存在感は、少なくとも好印象の持てるキャラではなく、また弟の生活環境のひっ迫さなど、また家族の異質な空気なども、読者を選んでしまう造形となっており、大衆的なまでの作品ではなく、読者を選んでしまう作品となっている部分があるので注意。
希望が見えない作風
主人公の弟に今後の展開において前向きな希望があるのかと、そんな事が気になる部分に問題点があります。
不幸な話も確かにおもしろもにある作風ではありますが、現代の暗い世上の中では、もっとライトな雰囲気を持たせないといけないかもしれません。
作品の持つダークなまでのコメディが、どことなくに陰鬱にさせてしまう内容であり、また兄によって人生を狂わされてしまうのではないのかと、読者を不安にさせてしまう展開も、マイナスのポイントもあるので注意。
住みにごり不気味な兄が気持ち悪くて怖いが魅力的な漫画まとめ
ニートの兄をテーマにし、そして困窮している家族に問題としてのしかかる兄の存在と、実に濃ゆい物語となっている今作は、歪な愛をテーマにしている作品とも言えます。何を考えて生きているか解からない兄の個性。
その兄に振り回されてしまう弟と、そんな兄を受け入れている母親に姉と、父親の人間性の疑う程の人格など、この作品では、まさに困窮した家族の愛がテーマになっており、またその愛に混じるかのように、この兄弟の歪な愛情までも混濁しているなど、家族の難しさをテーマにしている作品とも言えます。
住むだけで、違和感を感じ、そして何か言い表せない様な不快感を感じてしまうと、兄に悩まされる弟の成長と苦悩が綴られ、彼がどの様になっていくのかと、そんな彼の生き様を見守りたい作品となっています。
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