週刊少年ジャンプの新連載というのは、得てして「目新しさ」や「勢い」だけで有利に運ぶものですが、第1話で本当に「面白い」と確信できる作品は、実はそれほど多くありません。ジャンプを読み始めて15年、数々の名作の産声を聞いてきましたが、『エイリアンヘッドバット』の第1話には、あの『ハイキュー!!』や『チェンソーマン』の衝撃に近い「一歩先を行く面白さ」が宿っています。
犬居彰先生が描く本作は、SFとプロレスという極めてニッチな題材を掛け合わせた異色作です。しかし、ネット上では「設定が古臭くてつまらない」「このままだと打ち切りでは?」といった厳しい評価も飛び交っています。果たして本作は、単なる「無難な1話」で終わるのか、それともジャンプの頂点へ駆け上がる原石なのか。
今回は、巷のネガティブな噂に触れつつ、本作が持つ「計算された技巧」と、専門家視点で見えてくる打ち切りの危機、そしてそれを凌駕する面白い魅力を徹底的に深掘りします。
なぜひどいと言われるのか
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— 少年ジャンプ編集部 (@jump_henshubu) February 8, 2026
本作が一部の読者から「つまらない」「読みづらい」と評されてしまうのには、ジャンルの特性と演出のバランスに起因する3つの挫折ポイントがあります。
1. 題材のマイナーさと時代錯誤感
現代の格闘技漫画の主流はMMA(総合格闘技)であり、プロレスを真っ向から扱うのはリスクが高い選択です。80年代のプロレス全盛期とは背景が違いすぎ、若い読者には「なぜわざわざプロレスなのか」という違和感を与えてしまっています。この「難しい」題材選びが、初見のハードルを上げている側面は否めません。
2. パニックものとしての導入の弱さ
本作の舞台は、主人公が帰郷したときには既に崩壊しています。本来、パニックものの面白さは「日常が徐々に壊れていく恐怖」にありますが、最初から壊れているため、読者が絶望を自分事として捉えるための「タメ」が不足しています。凱旋直後、家族にお祝いされている最中に襲来を受けるような、より丁寧な導入を求める声があるのも納得です。
3. 説得力に欠けるパワーバランス
蹴りで人間の頭を吹き飛ばすエイリアンに対し、生身のプロレスラーが殴り合いで勝ててしまう点に「ひどい設定だ」と感じる読者もいます。この物理的な違和感をどう解消していくか、第1話時点ではまだ説明不足であり、リアリティラインをどこに置くべきか迷う読者が挫折する原因となっています。
打ち切りの可能性を徹底分析
本作がジャンプの椅子取りゲームで生き残れるかは予断を許しません。深刻な3つの懸念を分析します。
1. ヒロイン登場という「死の宣告」
もし今後、この硬派な筋肉路線を投げ出して安易なヒロインを投入するようであれば、打ち切りは確定的と言わざるを得ません。熱血少年漫画において、作品の芯をブレさせる要素は命取りになります。丸太を振り回して戦うような野性味を維持できるかが生存の鍵です。
2. ジャンププラス等の閲覧数低迷
現在、ジャンププラス全体で新連載の閲覧数が伸び悩むという「プラットフォームの衰退」という逆風が吹いています。及第点レベルの作品ですら読まれない現状では、圧倒的な熱量を持たない限り、無難な作品として埋もれてしまうリスクが非常に高いです。
3. 海外市場を狙いすぎた構成
「筋肉×SF」という要素は、海外でのヒットを狙った戦略のように見えます。しかし、国内のアンケート結果が絶対のジャンプにおいて、海外向けの「ポリコレ配慮」や「標準化」を意識しすぎて日本独自の自由な表現が失われれば、国内読者は真っ先に離れていくでしょう。
評価を一変させる面白い魅力
しかし、本作にはそれらの懸念を吹き飛ばす「再現性の高い面白さ」が確かに存在します。
1. 計算し尽くされた技巧的な第一話
本作は天才のひらめきだけでなく、緻密な計算によって構築されています。プロレスの技の入り方、筋肉の躍動感、そして敵に寄生され強くなることを示唆するラストなど、読者がどこで興奮し、どこで続きを読みたくなるかを熟知したプロの技術が光っています。
2. オリジナリティへの劇的な進化
過去作のオマージュから脱却し、独自の「SF×プロレス」というジャンルを確立しようとする姿勢が見事です。画力的にも大きな成長が見られ、コマ割りの硬さはあるものの、バトルシーンの迫力は現在の連載陣の中でもトップクラスのポテンシャルを秘めています。
3. 魂を揺さぶる「王道主人公」の熱量
主人公・白牙オウガの「迷いのない熱血」は、ここ数年のジャンプには欠けていた要素です。チャンピオンという肩書きを捨てて故郷のために戦う泥臭さは、本物の少年漫画を求める読者に深く刺さっています。この熱量こそが、最新刊を心待ちにさせる最大の要因です。
この衝撃を体感せずに、何が漫画好きか
『エイリアンヘッドバット』は、単なるSF格闘漫画ではありません。時代遅れと言われようと、自らの「プロレス」で未知の絶望を穿つ、人間の尊厳をかけた戦いです。
「つまらない」という評価は、まだこの作品の「筋肉の鼓動」に触れていない人の先入観に過ぎません。本作が持つ再現性の高い面白さは、読み進めるほどにあなたを虜にするでしょう。評価が定まりきっていない「今」だからこそ、その目で真実を確かめるべきです。
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