漫画「しのびごと」は「赤羽骨子のボディガード」のパクリ?と気になる声が上がっているようです。確かに、護衛者が学園内でターゲットを秘密裏に守るという設定には共通点がありますが、果たして本当にパクリと呼べるのでしょうか?
学園生活と護衛というテーマは、広く使われるジャンルの一つです。それぞれの作品には独自の個性やアプローチがあり、一見似ているようでいて、違う魅力が存在します。今回はこの2つの作品の類似点と違いを丁寧に見ていき、単なるコピーではない理由を探ってみたいと思います。
【しのびごと】あらすじ
【ジャンプ+試し読み!】
週刊少年ジャンプ42号より新連載、
しのびごと [第1話]の試し読みが
ジャンプ+で本日より配信になっております、ご覧ください!https://t.co/85skkfkgKP— しのびごと【公式】 (@shinobigoto_off) September 18, 2024
影に紛れ、闇を駆ける──。 “忍者”は今でもこの日本で、活動していた。 忍者名<ヨダカ>が託された次なる任務は、向日アオイの護衛。 慣れない学園生活を送りながら、さまざまな危険をすり抜け彼女を守ることができるのか…。 現代に忍ぶ、ポップでクールな秘密の護衛忍者譚!
【しのびごと】作品情報
しのびごと
著者
みたらし三大
著者
たけぐし一本
カテゴリ
少年マンガ
出版社
集英社
レーベル
週刊少年ジャンプ
掲載誌
週刊少年ジャンプ
【しのびごと】パクリなのか?
【単行本情報】
\\『赤羽骨子のボディガード』//
🎉単行本第①巻が発売されました!✨🎉奴らの狙いはただひとつ、赤羽骨子を殺すこと。俺の役目はただひとつ、赤羽骨子を守ることーー。
新感覚コメディ学園アクション‼️全国書店・通販サイトにて
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漫画「赤羽骨子のボディガード」は高校生の赤羽骨子は、ある事情から100億円の懸賞金をかけられ、殺し屋から狙われる身となってしまう。
幼なじみの不良・威吹荒邦は骨子のボディガードを引き受けるが、彼に与えられたミッションは骨子本人にバレることなく彼女を守り抜くことで、なんとクラスメイト全員が同じく彼女のボディガードだったというマガジンの人気作品です。
「赤羽骨子のボディガード」と「しのびごと」の類似点として、以下の点が挙げられます。
護衛がテーマでヒロインを守る
両作品とも、共通して「護衛」という重要なテーマが描かれています。具体的には、護衛者が命を狙われる人物を守るという物語構成になっています。まず『赤羽骨子のボディガード』においては、主人公である赤羽骨子が何らかの事情で命を狙われることとなり、その危険から彼女を守るため、幼なじみの威吹荒邦をはじめとするクラスメイト全員がボディガードの役割を担っています。物語の中で、骨子を守るために彼らがさまざまな方法で彼女の周囲に潜み、護衛する姿が描かれています。
一方で、『しのびごと』でも同じく護衛が重要な要素となっており、忍者であるヨダカが、学園に通う向日アオイを守るという任務を託されます。彼の任務は、忍者としての技術を駆使しながら、さまざまな危険からアオイを守り抜くというもので、物語の中心に護衛活動が置かれています。このように、どちらの作品も、護衛者が危機に瀕する主人公を影から支えるというストーリー展開が共通しています。
正体をバラさず秘密の任務
さらに「護衛の存在を隠す」という共通のテーマも。『赤羽骨子のボディガード』では、主人公の赤羽骨子が命を狙われているにもかかわらず、彼女自身は自分が護衛されていることを知らないという特別な状況が設定されています。幼なじみである威吹荒邦をはじめ、クラスメイト全員が彼女のボディガードとして配置されているのですが、彼らは骨子にその事実を絶対に悟られないように護衛するという難しいミッションを遂行しています。
つまり、ボディガードたちは表向きは普通のクラスメイトとして振る舞いながらも、実際には彼女を命の危機から守るために奮闘しているのです。このように、彼らが影で骨子を支え、危機を未然に防ぐ姿がコミカルに描かれています。
一方で、『しのびごと』でも同様に「護衛を隠す」ことが物語の大きなポイントとなっていますが、その設定には異なるアプローチが取られています。
この作品では、忍者であるヨダカが主人公として、学園に通う向日アオイを護衛する任務を受けています。しかし、彼の任務は単にアオイを守るだけでなく、忍者としての活動そのものを他人に知られないようにするという、さらに秘密性が高いものです。現代社会において忍者が存在していることは表向きには知られていないため、ヨダカはその正体を隠しながら、影に潜んでアオイを護衛しなければなりません。
彼の忍者としてのスキルや隠密行動は、この秘密の護衛任務を遂行するために欠かせないものとなっています。
ユーモアとアクションの絶妙な融合
両作品に共通している要素として、護衛者たちが任務を遂行する中で発生するアクションシーンと、それに絡むコミカルなやり取りが絶妙に融合している点が挙げられます。
護衛者たちは命を狙われるターゲットを守るために、シリアスな局面に直面することが多いのですが、そうした緊迫した状況下でもユーモラスな要素が巧みに取り入れられており、作品全体に軽やかさとテンポの良さが加わっています。特に『赤羽骨子のボディガード』では、クラスメイト全員がボディガードという異色の設定から生まれるユーモアが随所に見られ、シリアスな護衛任務の中でもクスッと笑える場面が多くあります。
一方で、『しのびごと』においても、忍者ヨダカがさまざまな困難に直面しながらも、シリアスな展開の中でコミカルな掛け合いや、忍者ならではの隠密行動の中で発生する微笑ましい瞬間が作品の魅力を引き立てています。
シリアスなアクションとコミカルな要素がバランスよく組み合わさっていることで、物語が単なるアクションに留まらず、エンターテインメント性の高い作品に仕上がっています。
【しのびごと】パクリではない
『赤羽骨子のボディガード』と『しのびごと』は似た要素があるため、パクリではないか?という疑念が浮かぶかもしれませんが、実際にはこれらの作品はそれぞれ独自のテーマや設定を持っており、単なる模倣ではないことがわかります。
キャラクターの役割と設定の違い
『赤羽骨子のボディガード』では、護衛対象となる赤羽骨子を守るために、幼なじみの威吹荒邦が中心となり、彼女のクラスメイト全員がボディガードとして彼女を陰ながら支えています。
この設定は非常にユニークで、学園全体が一つのチームのように動いて赤羽骨子を守るという集団的な護衛体制が物語の大きな魅力となっています。特に、クラスメイト全員が護衛役という点が、単なる個人の任務に留まらず、集団で協力しながら危険から守るという面白さを生み出しており、ストーリーに一層の深みを与えています。このような設定は、護衛というテーマにコメディ要素を加えることで、物語全体に軽快なテンポと明るさをもたらしています。
一方で、『しのびごと』では、公安の忍課という特殊な存在である超コミュ障である忍びヨダカが、向日アオイを守るという、まったく異なる護衛のスタイルが描かれています。ヨダカは、伝統的な忍者のスキルを現代社会に持ち込みながら、常にその存在を隠して任務を遂行するという、非常に独特な緊張感を伴っています。
彼の護衛は、集団によるものだけではなく、忍者ならではの隠密行動を駆使した単独任務であり、このスリリングな要素が『しのびごと』の物語を際立たせています。ヨダカは、ただ護衛するだけでなく、忍者としての使命を全うしつつ、自らの正体を周囲に悟られないように行動しなければならず、その点において『赤羽骨子のボディガード』とは大きく異なります。
物語の進行とテーマの違い
『赤羽骨子のボディガード』において、物語の中心となるのは骨子を守るための護衛ミッションですが、そのミッションがただの護衛にとどまらず、骨子本人にその事実を知られてはならないという点が大きな特徴です。この「護衛の存在を隠す」というミッションが加わることで、物語には一層のスリルが生まれると同時に、コメディ要素が加味されており、読者に軽快でユーモラスな展開を楽しませています。
護衛者たちは骨子に気づかれないように奮闘しながらも、ユニークな状況やコミカルなやりとりを通じて物語が進んでいくため、笑いとアクションが絶妙に融合した作品となっています。この点が、『赤羽骨子のボディガード』の最大の魅力であり、物語全体のトーンを明るく楽しいものにしています。
一方で、『しのびごと』では、忍者ヨダカが向日アオイを護衛するという任務が物語の軸に据えられていますが、ヨダカ自身が「忍者」であることを隠しながらその任務を遂行するという点が重要な要素となっています。この「隠す」というテーマは、単なる護衛の範囲を超えて、忍者という特異なキャラクターの本質そのものと密接に結びついています。ヨダカは、その存在を完全に隠したまま、現代社会でアオイを守り抜くという非常にシリアスな任務に直面しています。
そのため、物語全体に漂う緊張感やスリルは、『しのびごと』ならではのものとなっており、アクションシーンやキャラクターの動きにもシリアスなトーンが強く反映されています。この緊迫感は、『赤羽骨子のボディガード』の軽妙な雰囲気とは対照的で、よりダークでミステリアスな色彩が作品全体を彩っています。
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