漫画「怪獣カムイ」が連載されその内容や設定が、『怪獣8号』や『エヴァンゲリオン』とのパクリではないか指摘され、これが原因で打ち切りの憶測が飛び交っているというのです。果たして「怪獣カムイ」は本当にパクリなのか、それとも独自の魅力を持つ新しい作品なのでしょうか?
今回は「怪獣カムイ」のストーリーとその設定について詳しく掘り下げ、実際にどのような魅力を持つのか、また類似作品との違いについても触れていきたいと思います。果たして、「怪獣カムイ」はただの模倣ではなく、独自の価値を持つ作品なのか、ネタバレ感想を交えてお伝えしていきます。
【怪獣カムイ】あらすじ
本日発売のヤングマガジンにて、新連載『怪獣カムイ』始まりました!!
空想生物を描かせたら右に出る者はいない有馬慎太郎先生@Shintaro_Arima による超骨太エンタメ怪獣活劇です!!!
1話目こちらで無料で読めます!
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— 山中/漫画編集@『怪獣カムイ』新連載! (@ComicYamanaka) July 8, 2024
突如日本を恐怖で包み込んだ謎の巨大生物「震土」。多くの犠牲を伴いながらも、核爆弾の使用で動きを止めることに成功した。しかし、震土の発生を皮切りに世界各地で巨大生物が現れ始めた。そして再び日本にも‥。戦地に駆り出された青年・獅堂大和は、持ち前の技術で活躍するも、圧倒的脅威を前になす術はなかった。そんな中、巨大生物対策特別本部・東雲が大和にある提案を持ち掛ける。怪獣に抗うため、人類が選んだ道とは‥!?
【怪獣カムイ】作品情報
怪獣カムイ
著者
有馬慎太郎
カテゴリ
青年マンガ
出版社
講談社
レーベル
週刊ヤングマガジン
掲載誌
週刊ヤングマガジン
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【怪獣カムイ】パクリで打ち切りなのか?
怪獣カムイは怪獣8号とエヴァンゲリオンのパクリなのではないかとネットの声があります。一体どのような点が指摘されているか調べていきたいと思います。
エヴァンゲリオンとの類似点
まず、両作品とも巨大な存在が人類に脅威を与えるというテーマを共有しています。怪獣カムイの「震土」は日本列島に突然出現し、その脅威は核爆弾で一時的に食い止められますが、再び世界各地で現れ始める巨大生物と戦うことになります。これは『エヴァンゲリオン』における使徒の脅威に通じるものがあります。エヴァでは、使徒が次々に襲来し、主人公たちがそれと戦うために巨大な兵器(エヴァンゲリオン)に乗ることが主軸です。
さらに、エヴァにおけるNERVという特務機関と、こちらの「東雲」も類似しています。どちらも、人類の防衛を担い、秘密裏に特殊な戦略を展開する組織として描かれています。NERVは使徒に対抗するためのエヴァンゲリオンという兵器を運用し、「東雲」は怪獣の子どもを育成し兵器として使用するという、異様で革新的な方法を採用しています。人類存続のために非倫理的とも取れる手段を選ぶ点が、この二つの組織の共通する重要な特徴です。
また、主人公・獅堂大和の心理的葛藤も、エヴァの碇シンジに通じるものがあります。大和は怪獣の子どもを兵器として扱う計画に疑念を抱きながらも、人類の未来のために戦うことを決意します。この点は、シンジがエヴァに乗ることに対する複雑な感情や、戦い続けることで自分自身と向き合わざるを得ない状況に似ています。両者ともに、個人の内面と世界の存亡が交錯するドラマが描かれているのです。
最後に、圧倒的な脅威に対して人類が何度も打ちのめされながら、それでも立ち上がって戦わざるを得ない状況も共通しています。エヴァでは、使徒の侵攻により絶望的な状況に陥ることが多く、その都度、戦略やエヴァの力に頼らざるを得ない展開が続きます。同様に、この物語でも怪獣という巨大な力を制御し、利用することでしか人類は生き残れない状況に置かれており、人間の限界を超えた決断と行動が要求されるのです。
このように、怪獣カムイのストーリーには、巨大な脅威とそれに対抗する特殊機関、そして主人公の内面の葛藤というエヴァンゲリオンと似た要素が数多く見られます。ただし、怪獣の子どもを育成し兵器にするという独自の設定が、この物語に新たな視点を加え、人類の道徳的な選択に対する新たな問いを投げかけています。
怪獣8号との類似点
両作品ともに巨大生物に対抗するための特別な手段を用いる点で共通しています。怪獣8号では、怪獣化してしまった主人公が、自らの能力を活かして怪獣との戦いに挑むという設定です。対して、こちらのストーリーでは、かつて倒した怪獣の子どもを兵器として育成し、新たな怪獣との戦いに投入するという点が類似しています。どちらも、通常の方法では対処しきれない巨大な脅威に対抗するために、非常手段や特殊な戦力を導入することが描かれています。
また、主人公の心理的葛藤も共通しています。怪獣8号の主人公は、怪獣化という自身の変貌に苦しみながらも、人類を守るために戦います。同様に、怪獣カムイのストーリーの獅堂大和も、怪獣の子どもを兵器として育成するという計画に戸惑いながらも、他に選択肢がないと悟り、決断を下します。どちらの主人公も、自らの信念と戦う目的との間で苦悩しながらも、最終的にはその使命を果たす決意を固めます。
さらに、どちらも巨大生物に対抗するための特殊な組織が存在します。怪獣8号では、「防衛隊」が怪獣に立ち向かう組織として描かれていますが、こちらの物語では「東雲」が巨大生物対策特別本部として登場します。どちらも、巨大生物に対抗するために特化した部隊や組織が設立され、その中で主人公が重要な役割を果たすという設定です。
このように、巨大生物への対抗手段、主人公の心理的葛藤、そして特殊な組織の存在といった要素が怪獣8号と共通しており、それぞれのストーリーにおいて重要な役割を果たしています。
【怪獣カムイ】ネタバレ感想
「怪獣カムイ」は、『エヴァンゲリオン』や『怪獣8号』にはない独自のストーリーを持っています。まず、「怪獣カムイ」は神話や宗教的背景に依存することなく、突如として日本列島に現れる未知の巨大生物として描かれます。この設定は、使徒のような特定の神話的要素や、怪獣化した主人公といった変身要素とは異なり、純粋に未知の脅威が人類に襲いかかるという新しい形の緊張感を生み出します。
物語が進むにつれて、「怪獣カムイ」の子どもを兵器として育成するという計画が明らかになります。この点は、エヴァンゲリオンにおけるエヴァのような兵器や、怪獣8号の主人公の怪獣化とは根本的に異なります。エヴァンゲリオンは使徒と戦うための兵器として存在し、怪獣8号では主人公が怪獣の力を使う立場にあるものの、過去の怪獣を兵器として利用するという設定は新しい試みです。
主人公の獅堂大和は、怪獣カムイの子どもを兵器として使うことに対する内面的な葛藤を抱えながらも、他に選択肢がないことを認識し、決断を下すという展開もユニークです。大和の葛藤は、戦争と倫理、そして未来に対する責任という複雑な要素を含みます。この点で、彼の内面のドラマは、エヴァンゲリオンのシンジや怪獣8号の主人公とは異なる新しい視点を提供しています。
この物語では、巨大生物の出現とその対策としての兵器利用というテーマを通じて、他の作品とは違ったストーリー展開と独自の設定が描かれています。これにより、「怪獣カムイ」は既存の作品と一線を画す新たな物語を展開しており決してパクリや打ち切り作品ではないということです。
【怪獣カムイ】コミックス情報
その脅威、世界のために。
謎の巨大生物により壊滅的な被害を受けた日本。
現代兵器も通じない圧倒的脅威に抗うために
空軍のエースパイロット・獅堂大和が乗せられたのは
「神威」と呼ばれる巨大生物兵器だったーー。
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