漫画「満州アヘンスクワッド」18巻では、物語がますます過激に、そしてスリリングに展開します。真阿片の大量生産という壮大な目標を掲げた勇たちが、新たな舞台となる斉斉哈爾(チチハル)で命がけの闘いに挑む姿が描かれています。ソ連軍と関東軍の緊張が渦巻く北満州最大の危険地帯で、満州重工業の王・鮎見を味方につけるための駆け引き、そして暗躍する青幇の研究者・羅との対立が、ページをめくる手を止められないほどの緊迫感を生み出しています。
さらに今回は、真阿片に対抗する「狼阿片」の流通が活発化し、斉斉哈爾全体が混沌とした戦場と化します。この地で勇たちはいかにして危機を乗り越え、真阿片の生産計画を進めるのか?特に、鮎見の自動車工場火災という予想外の事件が、勇の行動をきっかけに大きな転機となる展開は見どころ満載。果たして鮎見の協力を得た勇たちは、どのようにして壮大な計画を実現させようとするのか
【満州アヘンスクワッド】作品情報
満州アヘンスクワッド18巻本日発売です!
よろしくお願いします! pic.twitter.com/wedDpuVUjg— 鹿子 (@siqako1) October 4, 2024
満州アヘンスクワッド
著者
門馬司
著者
鹿子
カテゴリ
青年マンガ
出版社
講談社
レーベル
ヤングマガジン
掲載誌
週刊ヤングマガジン
【満州アヘンスクワッド】18巻ネタバレ
斉斉哈爾(チチハル)にて
勇たちは、真阿片の大量生産という野望を実現するため、新たな拠点を求めて北満州の斉斉哈爾(チチハル)へと進出する。斉斉哈爾は、ソ連軍と関東軍が緊張状態にある極めて危険な地域であり、そこを拠点にすること自体が大胆な挑戦だった。しかし、勇たちにとっては、それだけ価値のある土地でもあった。なぜなら、この地は満州重工業の中心地として名高く、さらには満州の産業を牽引する実業家・鮎見がその地で莫大な影響力を持っているからだ。彼を取り込むことができれば、真阿片の生産と流通が一気に加速する可能性があった。
鮎見との交渉
しかし、鮎見は冷静な実業家であり、最初から勇たちの計画に対して断固たる拒絶の態度を示す。彼は、自分の経営理念と社会的な立場を守るため、真阿片という危険な事業には一切関与しないと断言する。この状況に、勇たちは困難に直面するが、一方で別の勢力も動いていた。それは、斉斉哈爾に拠点を置く青幇の研究者・羅だった。彼は真阿片に異常なほど執着しており、自らの研究を駆使してその秘密を手に入れようと画策していた。同時に、真阿片の流通を阻止すべく、対抗勢力である「狼阿片」の流通も活発化しており、町全体が暗躍する勢力たちのせめぎ合いの場となっていた。
火事の犯人は
そんな中、鮎見が経営する自動車工場が突然の火災に見舞われる。この事故により、多くの従業員が工場内に取り残される危機的状況となるが、そこに勇が現れる。勇は自らの身を危険にさらしながらも、従業員たちを次々と救出していく。この勇敢な行動に心を動かされた鮎見は、彼に対して感謝の意を示すだけでなく、勇の真剣な姿勢に触発される形で、真阿片の大量生産計画への協力を約束する。その仕掛け人こそ麗華(リーファ)だった。
【満州アヘンスクワッド】ネタバレ感想
相変わらずのテンポの良さが際立つ
『満州アヘンスクワッド』第18巻は、これまでのテンポ感を保ちつつ緊張感をさらに高め、読者を物語の核心へと引き込む圧倒的な展開でした。
この巻の中心となるのは、斉斉哈爾(チチハル)という危険地帯で繰り広げられる、生存と策略、そして裏切りが交錯するドラマです。勇たちが「真阿片の大量生産」を実現するために動き出す中で、新キャラクターや対立構造が次々と登場し、物語の厚みが一段と増しています。
鮎見というキャラクター
鮎見というキャラクターが非常に印象的でした。
満州重工業を支える大物実業家である彼は、冷徹で合理的な判断を下す人物として描かれています。そのため、最初は勇たちの計画に一切耳を貸さず、「真阿片」という危険な計画に距離を取る姿勢を見せます。
しかし、工場の火災という緊急事態において、勇が命を懸けて従業員たちを救出する場面は、この巻の大きな山場のひとつでした。この行動によって、鮎見が徐々に心を開き、協力を決断するまでの心理的な変化が丁寧に描かれており、単なる協力関係ではなく、信頼が芽生えていく瞬間に感動を覚えました。
研究者・羅というキャラクター
一方で、青幇の研究者・羅というキャラクターも忘れてはいけません。
彼の異常なまでの真阿片への執着心や、研究者としての冷酷な一面は、物語に緊張感を加える重要な要素となっています。羅が操る青幇と、真阿片の流通を阻止しようとする「狼阿片」の勢力が激しくぶつかり合う展開は、物語のスリルをさらに高め、斉斉哈爾がただの舞台ではなく、物語全体の爆心地となることを感じさせました。
「狼阿片」の流通という新たな要素が加わり、単なる勢力争いではなく、阿片を巡る経済や人々の運命が絡み合った深いテーマが浮き彫りになっています。
真阿片の純粋さを象徴する勇たちの計画と、混沌の象徴である狼阿片が対比される構図は、物語の中に倫理的な葛藤や社会的な問題意識を含ませており、ただの犯罪ドラマを超えた深みを感じさせました。
終盤の展開
鮎見というキャラクターの心情の変化が丁寧に描かれ、物語の重要なターニングポイントとなりました。冷徹な実業家として最初は勇たちを突き放していた彼が、火災という緊急事態の中で勇の献身的な行動に心を動かされ、ついには真阿片の大量生産計画への協力を誓う姿には胸を打たれます。
頑固で合理的な人物だった鮎見が、次第に自らの価値観を揺さぶられ、最終的に協力を決意するまでの心理描写は実に見事で、一巻分を通してしっかりと説得力のある流れが描かれていました。この変化は、単なる物語上の展開としてではなく、キャラクターの人間性を深く掘り下げた重要な瞬間でもありました。
鮎見が協力を誓うシーンでは、彼が「経済的な利益」や「安全保障」の枠を超え、勇たちの覚悟や信念に共感し始める様子が印象的でした。
【満州アヘンスクワッド】ネットの声
19巻まで話は続きそろそろクライマックスを迎えるかと思いきや自動車製造工場を手中にして生産量を増やす流れにするとは全く予想していなかった。工場と結託することにまた数巻かけて一悶着を描くかと思わせておいてそこは案外すんなり行くところからもしかしたらあと2〜3巻くらいで最終盤を迎えてもおかしくはないスピード感。
非常にまともで犯罪とは無縁な鮎見がアヘン密造密売集団になびく展開が良い
これだけの巻数が出ても衝撃展開やテンポの良さがとにかくいい。逆にご都合主義や物足りないと感じる人もいるかもしれない
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「必ず作ってみせるぞ‥‥。真阿片を超えるものをな!」
真阿片の大量生産──。その拠点をつくるため、勇たちは斉斉哈爾に進出! ソ連軍と関東軍が睨み合う北満州随一の危険地帯で、満州重工業の王、鮎見の籠絡を試みるが‥‥。そして斉斉哈爾では、真阿片に強い執着を抱く青幇の研究者、羅が待ち構えていた! 最強の麻薬、真阿片に、これまでにない危機が迫り始める。
最終話や結末話は
漫画「」はまだ完結しておりません。
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