近年、漫画やアニメ作品における「オマージュ」と「パクリ」の境界線はますますあいまいになっています。
そんな中、週刊少年ジャンプ+で連載中の人気漫画「ダンダダン」のアニメ描写が、思わぬ形で話題に上がりました。きっかけは、一部のシーンや描写がX JAPANのYoshikiさんを強く連想させるとして、ネット上で指摘が相次ぎ、さらにはYoshikiさんの弁護士から著作権侵害に関する警告があったという噂まで浮上したことです。
これが事実なら、単なるファン向けのリスペクト演出では済まされない事態。ファンの間では「オマージュの範囲内では?」という擁護の声と、「これは完全にアウトでは?」という批判が真っ二つに割れ、SNS上で激しい議論を巻き起こしています。
【ダンダダン】パクリオマージュ!
👾🛸👾━━━━━━#ダンダダン
ガチで作っちゃいました‼️
━━━━━━━🛸👻🎼HAYASii「Hunting Soul」リリックビデオ公開https://t.co/PO3mydhOIk
星子曰く
「幽世にも音を響かせる力がある」#谷山紀章 さんからコメント到着🎤https://t.co/qnho5zizx7 pic.twitter.com/tUzLkM7wb8— 「ダンダダン」TVアニメ公式 | 第2期は25年7月3日から放送開始 (@anime_dandadan) August 7, 2025
ダンダダンはオマージュの宝庫!多彩な元ネタが詰まった作品
「ダンダダン」は、怪異バトルとラブコメを融合させた独自の作風で人気を集めていますが、その魅力の一つとして挙げられるのが、随所に散りばめられたオマージュの数々です。登場キャラクターのポーズやセリフ、戦闘演出、さらには構図や小物に至るまで、過去の名作漫画・映画・音楽カルチャーを思わせる要素が巧みに盛り込まれています。
これらは単なるコピーではなく、作品のテーマやキャラクター性に沿って再構築されており、知っている読者ほどニヤリとできる仕掛けとなっています。そのため、ファンの間では「元ネタ探し」自体が一つの楽しみ方として確立され、考察コミュニティやSNSでは「このシーンはあの映画の影響では?」といった推測合戦が盛んに行われています。
こうしたオマージュの多用は、作者のカルチャー愛と創作センスを感じさせると同時に、時にはパクリとの境界線をめぐる議論を呼び起こす要因にもなっているのです。
【ダンダダン】アニメでXJAPANのYoshikiの弁護士から著作侵害警告?!
最初これを知った時は、なんだか面白くて笑っていたら、弁護士達からも連絡がきた😱
著作権侵害の可能性があるとのことで、どうなるのだろね🤔
みなさん、この手のものは、多分先に関係者へ連絡した方がいいみたいだよ#YOSHIKI@DandadanTV @animeDANDADANen @netflix@hulu @XJapanOfficial…— Yoshiki (@YoshikiOfficial) August 8, 2025
『ダンダダン』アニメ第18話で起きた“あの炎上”――劇中に流れた曲が、X JAPANの「紅」にあまりにそっくりすぎるとして、ファンの間だけでなく、YOSHIKI本人の反応も巻き起こした話題を、見出し付きでまとめてみました。
髪を逆立てる“お祓い”シーンと強烈なロック!その挿入歌が「紅に似ている」と話題に
2025年8月7日放送の第18話「家族になりました」において、幽世のお祓いをヘビーメタル風“お囃子”で行う異色の演出が展開されました。
そこに流れた挿入歌「Hunting Soul」は、イントロから激しいギターリフとスピード感あふれる構成で、「紅」を彷彿とさせるとしてSNS上で話題に。特に「お祓いだぁあああ!」のシャウトが「紅だぁあ!」を連想させたとの指摘が相次ぎました
YOSHIKI「何これ、X JAPANに聞こえない?」 驚きの声をSNSに投稿
曲の公開を受けて、X JAPANのリーダー・YOSHIKIさんは自身のSNS(X)で、「何これ、X JAPANに聞こえない?」と疑問を呈しました。冗談まじりながらその類似性に戸惑いを隠せない様子で、多くの注目を集めました
“弁護士からも連絡あり”…法的リスクにも言及
当初は笑って受け止めていたものの、続けて「弁護士達からも連絡がきた。
著作権侵害の可能性」という投稿も行い、トーンは真剣なものへと変わりました。事前声明や許可なしで制作されたことへの驚きと不快感も含まれており、著作権問題の可能性が一気に浮上しました
制作側からの説明なし、ファンの賛否は真っ二つ
ネットの反応は二極化――「似すぎ」「これはオマージュの域を超えているのでは?」と疑問視する声と、「豪華制作陣によるリスペクトだ」という擁護の声が入り乱れました。中には「事前に連絡していれば…」という、制作サイドへの不満も見られました
この騒動は、オマージュと著作権侵害の微妙な境界線をめぐる、創作現場での永遠のテーマを改めて問う出来事となりそうです。「愛を込めたパロディ」が、知らずに権利者の領域に踏み込んでしまうリスクと隣り合わせである、ということを示す象徴的な事件とも言えるでしょう。
【ダンダダン】許可の重要性
許可を取らずに使う危うさ――ダンダダンが抱えるリスク
ダンダダンは、その勢いある展開とカルチャー愛にあふれたオマージュで人気を博していますが、今回の「紅そっくり騒動」だけに限らず、過去にも実在する人物や作品の名前、固有名詞を直球で登場させる演出が多く見られます。
こうした手法は、ファンから見れば“わかる人には刺さる小ネタ”として面白く映る一方、すべてが無許可で行われていた場合、著作権や商標権、肖像権といった法律上のリスクを一気に抱えることになります。特にアニメ化やグッズ展開など商業利用の範囲が広がれば広がるほど、問題が表面化しやすく、後から修正や差し替えを余儀なくされる事態にもつながりかねません。
オマージュと侵害は紙一重
オマージュは本来、元ネタへの敬意を示すものであり、受け手側が「これはあの作品からの影響だ」と察して楽しむ余白を残すのが理想です。
しかし、名称や外見、楽曲などがあまりに似すぎている場合、それはリスペクトではなく“無断使用”と見なされる危険性があります。著作権法や商標法の観点では、たとえ一部を変えていても「出所の混同」が生じるほど似ていると、侵害と判断される可能性が高まります。
つまり、作り手側の意図がどうであれ、客観的に似ていると感じられれば、法的トラブルに発展する余地があるのです。
許可を得ることがクリエイティブを守る
許可を取るという行為は、単なる手続きではなく、作品を長く安全に世に残すための“保険”でもあります。権利者から正式な承認を得ることで、後々の差し替えや訴訟リスクを避けられるだけでなく、場合によってはコラボレーションや公式応援という形で作品の価値をさらに高めることもできます。
逆に、許可を怠れば、せっかくの人気や評価が一瞬で失われる危険性があるのです。ダンダダンのようにカルチャー色が濃く、多くの元ネタを取り入れる作品ほど、こうした法的な安全策を取ることは欠かせません。リスペクトの精神を守りながら、創作の自由と安全を両立させる
それこそが、今後のエンタメ業界における重要な課題といえるでしょう。
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