近年じわじわと注目を集め、アニメ化によって一気に話題を呼んでいる『光が死んだ夏』。ネット上では「これはBL漫画なの?」「いや、ホラーでしょ?」と読者の間で意見が分かれており、そのジャンルをめぐる議論は後を絶ちません。
確かに、主人公・よしきと幼馴染の光、そして彼に成り代わったヒカルとの関係性には、友情を超えた特別な感情が描かれているようにも見えます。一方で、作品全体に漂うのは得体の知れない不穏さと恐怖であり、純粋な恋愛物語とはまったく異なる読後感を残します。では、この作品はいったいどんな物語で、なぜ多くの人が「BLっぽいのにホラー」と語るのでしょうか。今回はその真相に迫ってみます。
【光の死んだ夏】BLなのか?
【連載情報】
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是非、よしきとヒカルの「忘れられない夏の物語」を覗いてみてください!
— 光が死んだ夏【公式】 (@hikarugashinda) September 1, 2022
「光が死んだ夏」はBL漫画なのか?
漫画「光が死んだ夏」がBLかどうかは、多くの読者の間で議論になっています。しかし、結論から言えばこの作品はBL漫画ではなく、公式ジャンルは「青春サスペンスホラー」とされています。
BLと誤解されやすい理由
物語の中心には、主人公の辻中佳紀(よしき)と幼馴染・光、そして光に成り代わった存在であるヒカルとの関係が描かれています。よしきが光に特別な想いを抱いていたり、ヒカルがよしきに異常なまでの距離感で迫ったりするため、恋愛的に読める場面が多いのは事実です。さらに、本作のプロトタイプが「創作BL」として発表されていた過去があるため、BL的な解釈をされやすい下地があります。
公式ジャンルは「青春サスペンスホラー」
一方で、本編にはキスシーンや恋愛関係を決定づけるような描写は存在せず、性的表現も皆無です。描かれているのは友情や喪失感、そして怪異との不気味な共生といった要素で、BL作品特有の「恋愛の進展」は描かれていません。公式的にも「女性向けホラー」として商業展開されており、BL漫画とは明確に区別されています。
真実は「BL的に読めるが、BLではない」
「光が死んだ夏」は、BL的な要素を匂わせつつも、それを物語の核に据えるのではなく、サスペンスと人間ドラマに重きを置いた作品です。そのため、「BLのように楽しむことはできるが、純粋なBL漫画ではない」というのが最も正確な立ち位置でしょう。
【光の死んだ夏】はBLに見える?それともホラー?
漫画「光が死んだ夏」は、読者によって「BL漫画なのでは?」と囁かれることがあります。しかし実際にはジャンルは「青春サスペンスホラー」とされており、BL的な解釈が可能な部分と、そうではない部分が共存しているのが特徴です。ここでは両面を対比して整理します。
BLに見える要素
・主人公のよしきが、幼馴染の光に特別な想いを寄せているように描かれる
・同性愛を揶揄する集落の人々を前に、よしきがかばうような姿勢を見せる
・ヒカルがよしきに極端な近さで接するシーンがあり、ゼロ距離の関係性がBL的に見える
・もともとのプロトタイプ作品が「人外BL」としてPixivに投稿されていた経緯がある
ホラー作品としての要素
・舞台は田舎の集落で、怪異や死の影が常につきまとう閉塞的な世界観
・ヒカルは「光」ではなく、人ならざる存在に成り代わった怪異であり、恋愛感情そのものを理解していない
・物語の核はよしきが「光の死」とどう向き合うかであり、愛や友情よりも喪失と恐怖が前面に出ている
・作品全体に漂うのは不穏さや不気味さで、BL漫画特有の恋愛的進展は描かれない
「光が死んだ夏」は、BL的に楽しめる雰囲気を持ちながらも、物語の本質はサスペンスとホラーにあります。したがって「BLではないが、BL的に読める」という立ち位置が最も適切でしょう。
BLを期待して読むと肩透かしかもしれませんが、人間関係の緊張感や怪異の恐怖を軸にした作品としては高い独自性を放っています。
【光の死んだ夏】BLとホラーの対比をさらに深掘り
BL的に読むとどう見えるか
「光が死んだ夏」をBL的な視点で読むと、まず浮かび上がるのはよしきの光への執着です。好きな女子のタイプを尋ねられて不機嫌になる場面や、同性愛者を差別的に語る大人に対して庇うような態度を見せる描写は、よしき自身が同性に特別な感情を抱いていることを暗示しているように見えます。
さらに、ヒカルが「めっちゃ好き」とよしきに伝えるシーンは、言葉の上では恋愛告白に近く、BL読者の想像を膨らませる要素となっています。ヒカルが光と同じ姿であることから、よしきの複雑な感情が恋愛的な揺れに見えるのも、BL的解釈を誘発するポイントでしょう。
ホラーとして読むとどんな意味を持つか
しかしホラーの文脈で読み解くと、これらの要素はまったく別の意味を帯びます。よしきの「光への想い」は、恋愛ではなく「死んでしまった親友を忘れられない」という喪失感の表れに過ぎません。
また、ヒカルがよしきに異常なほど近づくのは、人間とは異なる価値観を持つ怪異だからこそであり、それは愛情ではなく「執着」や「所有欲」に近い行動です。
ヒカルの「好き」という言葉も、人間的な恋愛感情ではなく、自分を受け入れてくれた存在への本能的な執着表現にすぎません。つまり、表面的にはBL的に見える描写も、ホラー的には「人ならざる存在に絡め取られていく恐怖」として読むことができます。
【光の死んだ夏】おすすめ読者
『光が死んだ夏』は、ジャンルとしては「青春サスペンスホラー」に分類されるものの、BL的な解釈もできる独特な作品です。そのため、どんな読者に向いているかを整理すると以下のようになります。
怪異や不穏な空気が漂うホラーが好きな人
まず何よりも、静かに迫りくる恐怖や人外との共生といった、じわじわとしたホラーが好きな人におすすめです。血やグロテスクな描写よりも、人の内面や関係性の崩れを通して恐怖を描くタイプの作品なので、心理的な不安や緊張感を味わいたい読者にぴったりです。田舎の閉鎖的な空気や、何かがおかしいと感じさせる雰囲気づくりも見事で、ホラー好きなら間違いなく引き込まれるでしょう。
BL的な空気感は好きだけど、過度な恋愛描写は苦手な人
よしきと光/ヒカルの関係には確かにブロマンス的な要素があり、BL的に読むことも可能です。しかし明確な恋愛描写や性的表現は一切なく、あくまで曖昧な感情や執着が描かれています。
BLの空気感や、男の子同士の特別な関係性を味わいたいけれど、濃い恋愛表現はちょっと苦手……という人には最適な作品です。
キャラクター同士の複雑な関係性に惹かれる人
この作品の最大の魅力のひとつは、よしきと光/ヒカルの間にある「わかりそうでわからない距離感」です。友情とも恋愛ともつかない揺れ動く感情、死んだ親友と同じ顔をした存在との関係に悩むよしきの葛藤など、単純な言葉では言い表せない人間関係が丁寧に描かれています。こうした微妙で複雑な関係性を読み解くのが好きな人には、非常に刺さる内容です。
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【光の死んだ夏】最終話や結末話は
漫画「光の死んだ夏」はまだ完結しておりません。
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