『ジョジョの奇妙な冒険』第7部「スティール・ボール・ラン」で登場するラスボス、ファニー・ヴァレンタイン大統領。彼の独特な風貌やキャラクターは多くの読者に強い印象を与えましたが、物語が進むにつれて彼の体型が変わっていることに気づいた方もいるのではないでしょうか?
「大統領は痩せた?」という疑問が、ネット上でファンの間でささやかれる中、原作者である荒木飛呂彦先生がついにこの謎に対する答えを明らかにしました。
この記事では、ヴァレンタイン大統領の設定やその体型変化について、荒木先生のコメントを基に詳しく探っていきます。
【ジョジョ7部】ラスボスのヴァレンタイン大統領とは?
ジョジョ7部まだ見た事ないけど多分大統領推しになると思う pic.twitter.com/ULJ1Hzob9L
— 豚骨🕸🍜 (@kafka_suko) August 10, 2024
ヴァレンタインの性格は?
ファニー・ヴァレンタイン大統領の性格は、常に冷静沈着であり、リーダーシップにも優れているという印象を強く持たせます。彼は、アメリカの国益を最優先に考え、必要とあらば、冷酷な決断を下すことにも全くためらいがありません。非情とも言える命令を即座に決断し、実行に移すその姿勢は、彼が単なる政治家ではなく、戦場での経験を持つ元軍人であることから来る、冷徹な合理性を反映しています。
とはいえ、ヴァレンタイン大統領が全く人間味のないキャラクターかと言えば、それは違います。彼の性格の奥には、どこか温かみのある人間らしい一面が描かれており、そこには深い内面性が潜んでいることが窺えます。例えば、彼は亡き父親の形見であるハンカチをいつも身につけており、それを手放すことはありません。このハンカチは、ヴァレンタインにとって単なる記念品以上の意味を持ち、彼の生き方や価値観に深く影響を与え続けています。また、彼の妻であるスカーレット夫人も、彼のことを「切れ味鋭いが、同時に温かみも感じさせる人物」と評価しており、その言葉からも、彼が持つ多面的な人格が垣間見えます。
こうした性格が形作られた背景には、彼が軍人出身の政治家であるという経歴が大きく影響していることが挙げられます。戦場で培われた冷静さと決断力は、彼の政治手腕においても発揮され、厳しい決断を下す一方で、家族や個人的な思い出を大切にする一面も同時に持ち合わせています。特に、彼の父親もまた南北戦争に従軍していたという家族の歴史が、彼の人格形成に大きな影響を与えました。ハンカチにまつわるエピソードは、その象徴とも言えるものであり、ヴァレンタインの人生や価値観を決定づけた重要な要素となっています。このエピソードは、彼の冷酷な一面だけでなく、過去の経験や家族の絆が彼の行動や信念に深く根付いていることを示すものであり、物語全体を通して彼のキャラクターを理解する上で欠かせない要素となっています。
スタンド能力は?
ヴァレンタイン大統領が所有するスタンド能力「D4C」(Dirty Deeds Done Dirt Cheap)は、物と物の間に挟まれることによって発動し、無数に存在する並行世界を自由に行き来できるという特異な力を持っています。例えば「ドアと壁」や「地面と国旗」のように、異なる物体の間に挟まれることで、彼は異なる次元へと簡単に移動することが可能になります。この能力でアクセスできる並行世界は、基本的には現実世界と非常によく似ています。社会制度や主要な人物の配置などは基本世界と同様であり、一見すると違いがわかりにくいものの、細部をよく観察すると小さな違いが随所に見られます。たとえば、キャラクターの服装や能力が微妙に異なっていたり、作中のレースに参加する者たちが追っているものが遺体ではなく宝石に変わっていたりといった違いが挙げられます。
さらに、この並行世界の中には、ヴァレンタイン大統領自身も一人ずつ存在しており、それぞれの世界において彼は独立した存在です。しかし、数ある並行世界のヴァレンタインの中でも、この次元間を自由に移動できるのは「基本」のヴァレンタインただ一人です。他のヴァレンタインがD4Cの能力を使用するためには、この「基本」のヴァレンタインから能力と記憶を「継承」する必要があります。つまり、D4Cの力は基本のヴァレンタインにのみ与えられており、その力を他の自分に譲り渡すことでしか、他のヴァレンタインたちはこの特異な能力を使用することができません。
しかし、D4Cにはもう一つ、非常に危険な性質が存在しています。それは、「同一の存在が異なる次元で出会ってしまうと、互いに引き寄せられ、最終的に肉体が崩壊してしまう」というものです。この現象は、伝承で語られるドッペルゲンガーに近いものであり、他次元の同一人物や同一物体が接触することで、取り返しのつかない破滅を迎えるのです。この特性は、「防御不可能で一撃必殺」という、作中でも最強クラスの攻撃方法として描かれており、非常に致命的です。実際、作中ではディエゴ・ブランドーによって罠にかけられたウェカピポが、別次元の自分と遭遇してしまい、その結果として体が粉々に分解されて命を落とすという悲劇が描かれています。
D4Cの能力は、これだけに留まりません。さらに高度な応用方法もいくつか描かれており、例えば、ヴァレンタインが負傷した際には、並行世界の自分に本体権を移して負傷をリセットすることができたり、他の並行世界から自分自身を呼び出して共闘することが可能です。また、敵の体の一部だけを並行世界に連れ込むことで、その部分を拘束し、敵の動きを封じることもできます。このように、D4Cは非常に多彩な応用が可能な能力であり、肉弾戦での戦闘力こそ並程度に見えるものの、シリーズにおける大ボスが持つにふさわしい、極めて有用かつ恐ろしい力を秘めています。この能力の持つ戦略的な価値と多様性は、ヴァレンタイン大統領を強力な敵として印象付ける要因となっており、彼がシリーズ全体において重要な役割を果たすキャラクターであることを示しています。
【ジョジョ7部】ヴァレンタイン大統領痩せた?
拾い画だけどほんとヴァレンタイン大統領痩せたな pic.twitter.com/MkMxojwlpP
— シュウツク (@shutsuku) May 4, 2018
『ジョジョの奇妙な冒険』第7部「スティール・ボール・ラン」に登場するラスボス、ファニー・ヴァレンタイン大統領。初めて登場した際、彼はふくよかな体型をしており、その特徴的なビジュアルが読者に強い印象を与えました。しかし、物語が進むにつれて、ヴァレンタイン大統領の体型が急激に変化し、スリムな姿へと変わったことが注目され、読者の間でさまざまな憶測が飛び交いました。
特に注目されたのは、ヴァレンタイン大統領のスタンド能力「D4C」に関する推測です。D4Cは並行世界を行き来する能力を持つため、読者の中には「もしかすると、大統領が痩せたのはD4Cによって並行世界から痩せたバージョンのヴァレンタインを引き出したからではないか?」という意見がありました。この考えは、彼の体型変化が単なるデザインの変更ではなく、スタンド能力による影響である可能性を示唆しています。
しかし、この件について原作者の荒木飛呂彦先生が『ジョジョマガジン』にてついに公式な回答を発表しました。荒木先生は、ヴァレンタイン大統領の体型の変化について、読者の間での憶測や推測に対して明確な説明を行いました。
【ジョジョ7部】ラスボスヴァレンタイン大統領の設定
『ジョジョマガジン2022 WINTER』にて、ファニー・ヴァレンタイン大統領の外見が物語の途中から変わった理由について語られています。実は、ヴァレンタイン大統領の初期設定では、「見た目は穏やかで優しそうだが、実は非常に強い人物」というコンセプトが重視されていました。そのため、彼は背が低く、丸みを帯びた体型で描かれており、その外見と内面のギャップがキャラクターの魅力として意図されていたのです。
しかし、物語が進むにつれて、ヴァレンタイン大統領は直接戦いに参加する機会が増えることが明らかになり、そのキャラクター性も再考されることとなりました。原作者である荒木飛呂彦先生は「自ら戦う大統領である以上、より強さを感じさせる外見が求められる」と考え、彼のデザインを修正しました。結果として、大統領の姿はより引き締まった筋肉質の長身へと変更され、戦闘シーンにふさわしい存在感が強調されたのです。
この変化により、ヴァレンタイン大統領は物語の中での役割に相応しいビジュアルを持つようになり、彼の強さと威厳がさらに引き立てられることとなりました。荒木先生の緻密なキャラクターデザインへのこだわりが、ファンの心に深く残るキャラクターを生み出した一因と言えるでしょう。
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