漫画「名探偵シド・クラフト」本格ミステリーとラブコメを融合させた意欲作でありながら、読者の期待を大きく裏切る結果となり、打ち切りの可能性やつまらない、という声が多く寄せられたのは否めません。
一見すると魅力的な「本格ミステリーラブコメ」というジャンル。しかし、ミステリーの新鮮味に欠ける展開と、事件の重みを軽視したギャグ調の作風が噛み合わず、ジャンルのミスマッチ感が作品全体を支配してしまいました。「名探偵」の宿命を掲げながら、最後まで読者を唸らせる推理劇には至らなかった本作について、掘り下げてみたいと思います。
【シド・クラフトの最終推理】あらすじ
本日11/18発売の週刊少年ジャンプ51号から、『シド・クラフトの最終推理』というミステリラブコメ漫画を新連載させていただくことになりました!
初めての挑戦も多く緊張ですが、一人でも多くの人に楽しんでいただけるように精一杯頑張りますので、よかったらどうか応援よろしくお願いします…! pic.twitter.com/7Edu9mKitx
— 筒井 大志@「シド・クラフトの最終推理」連載中! (@Taishi_Tsutsui) November 17, 2024
数々の難事件を解決する、名探偵シド・クラフト。
周囲からの人望も厚いこの人物、実はある秘密があり――!?
「ぼくたちは勉強ができない」の筒井大志がおくる、本格ミステリーラブコメ始動!
名探偵とは「運命」ではなく「宿命」である!
【シド・クラフトの最終推理】打ち切り?つまらない?
シド・クラフトの最終推理の内容は様々な要素から打ち切りの可能性やつまらないという感想がありました。以下の要素が考えられます。
ジャンルミスマッチ
「本格ミステリーラブコメ」という触れ込みでスタートした本作は、読者が求めるジャンル要素のバランスに欠けていました。本格ミステリーを期待して読んだ読者には、推理の粗さや意外性の欠如が不満となり、ラブコメ要素を楽しみにしていた読者には、シリアスな事件の背景が軽薄に映る結果に。ジャンルの融合がうまく機能せず、どちらの層にも響かなかった可能性があります。
ストーリー展開の平坦さ
「助手が女性」「幼馴染の警部」「バーのマスターが犯人」といった設定やトリックが、ミステリーとしての新鮮味に欠けていました。さらに、物語が予想通りに進み、読者に驚きや感動を与えられなかった点は致命的です。特に、ミステリーとしての醍醐味である「どんでん返し」や「伏線回収」が弱く、ミステリーファンの満足感を得られなかったことが打ち切りに影響したと考えられます。
ギャグとシリアスの不調和
前半のギャグテイストと、後半に期待されるシリアスな推理劇の移行がスムーズでなく、むしろ最後までギャグを貫いてしまった点が多くの読者を困惑させました。特に、犯人の自供シーンですらギャグ調だったことは、物語の緊張感を失わせる要因になったと言えます。
倫理観の欠如
人命に関わる事件を扱いながら、それを軽視したように見える描写が多かったことも、読者の反感を招いた原因の一つです。殺人事件が起きているにも関わらず、恋愛描写に重きを置いたり、殺人シーンをデフォルメギャグとして描いたりした点は、感情移入を妨げ、物語の重みを削ぐ結果となりました。
キャラクターの魅力不足
主人公であるシド・クラフトや周囲のキャラクターたちがテンプレート的で、感情移入しにくかった点も影響しています。特に、「人望が厚い名探偵」という設定が生かされず、内面の掘り下げが足りなかったため、読者にとって印象に残るキャラクターにはならなかった可能性があります。
【シド・クラフトの最終推理】おすすめ読者
『シド・クラフトの最終推理』を楽しめる可能性のある読者を考えると、以下の特徴を持つ方々が挙げられます。
軽いノリのミステリーが好きな人
本格的な推理や緻密な伏線回収を求めるよりも、軽妙なやり取りやキャラクターの掛け合いを楽しみたい読者に向いています。特に、「ミステリーらしい雰囲気だけで満足できる」「意外性よりもキャラクターの可愛らしさや魅力に重点を置く」といった方におすすめです。
ラブコメ要素を重視する読者
推理のリアリティや事件の深刻さよりも、登場キャラクターたちの恋愛模様や掛け合いを楽しむのが目的の読者に向いています。シドと助手、幼馴染の警部との関係性に注目し、恋愛的なドキドキ感を楽しむ方には魅力的に映るかもしれません。
シリアスよりもギャグが好きな人
事件の解決過程や登場人物たちのやり取りにおけるギャグ要素を楽しめる人には、この作品のテンポの良さや明るい雰囲気がフィットするでしょう。「事件が起こっても深刻になりすぎない方がいい」と考える読者には合う可能性があります。
初心者向けミステリーを探している人
本格ミステリーに慣れておらず、あまり複雑なトリックやシリアスな展開に入り込めない読者には良い入門書となるかもしれません。特に、軽い気持ちで読みたい人や「ミステリーは難しそう」と感じている人には親しみやすい作品です。
『ぼくたちは勉強ができない』のファン
筒井大志氏の過去作を楽しんでいた読者で、特にキャラクターの可愛らしさやコミカルな描写が好きだった人におすすめです。筒井氏の作風を活かしたラブコメパートには、同様の魅力が含まれています。
日常系ミステリーが好きな人
日常の延長線上で事件が起き、殺伐とした雰囲気にならずに気軽に楽しめるミステリーを求めている人にも合うでしょう。深刻なテーマではなく、コメディタッチの事件解決を好む方にはおすすめです。
【シド・クラフトの最終推理】ネットの声
ジャンプ新連載「シド・クラフトの最終推理」感想。色んな方面からサンデーの「あの漫画」に似てると言われていた
つまらなくもないが面白くもない
これはこのままいったら期待できるラブコメになるのでは?
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