漫画「ダーウィン事変」は、アニメ化も決定した人気作で、月刊アフタヌーンでうめざわしゅんが描くヒューマンジー漫画。しかし「気持ち悪い」「怖い」と言った意見も。とくにルーシーの秘密は見るのに勇気がいります。一体どういったことが批判の対象になっているのでしょうか？本記事ではそれらを解説したいと思います。
【ダーウィン事変】あらすじ
ダーウィン事変を読みました pic.twitter.com/vklXMbhv8e
— Amanyu EX 🐳 (@ggs_ja) October 9, 2023
テロ組織「動物解放同盟（ALA）」が生物科学研究所を襲撃した際、妊娠しているメスのチンパンジーが保護された。
彼女から生まれたのは、半分ヒトで半分チンパンジーの「ヒューマンジー」チャーリーだった。
チャーリーは人間の両親のもとで15年育てられ、高校に入学することに。
そこでチャーリーは、頭脳明晰だが「陰キャ」と揶揄されるルーシーと出会う。「テロ」「炎上」「差別」……ヒトが抱える問題に、「ヒト以外」のチャーリーが、ルーシーとともに向き合うヒューマン＆ノン・ヒューマンドラマ。
【ダーウィン事変】作品情報
ダーウィン事変
著者
うめざわしゅん
カテゴリ
青年マンガ
出版社
講談社
レーベル
アフタヌーン
掲載誌
アフタヌーン
【ダーウィン事変】気持ち悪いし怖い
気持ち悪い要素 人間と動物の交尾が怖い
半分ヒトで半分チンパンジーという「ヒューマンジー」であるチャーリー。
この設定に不快感を抱く人も少なくないことでしょう。一般的な道徳観からすると、人間と動物の交尾という非現実的なテーマはキメラ実験のようなものに似ており、受け入れるのが難しいものです。
このようなテーマは倫理的な観点からも問題視されることが多く、人々の間で議論を呼ぶ可能性が高いと言えます。ヒューマンジーの存在は、科学の進歩と倫理の境界線を問う重要なテーマであり、私たちに深く考えさせられる題材ではあるが苦手な人は本書を読むことはおすすめできない。
気持ち悪い要素 ルーシーの秘密チャーリーとの行為が怖い
チャーリーも人間と同じように思春期を迎え、異性に対する興味を持つようになります。そして、その関心の対象となったのがルーシーです。
この状況の中で、チンパンジーと人間の交尾シーンが描かれることになりますが、この描写に対して不快感や恐怖を覚える人が少なくないでしょう。漫画というフィクションの枠内であっても、このような異質な要素に対する拒否反応は避けられないかもしれません。
特に、そういった特殊な嗜好を持たない読者にとっては、シーンそのものが強い違和感を引き起こし、読み進めることが困難になる可能性があります。
気持ち悪い要素 絵柄が怖い
うめざわしゅん先生の作品においては、キャラクターの表情や動きが非常に細かく描かれており、それが読者にリアルな印象を与える要因となっています。
チャーリーが人間のように言葉を話す場面は、その外見のリアルさとのギャップから強烈な印象を与え、読者に深い不安感や恐怖感を抱かせます。
また、チャーリーが動物の視点から発する人間へのメッセージは、単なるフィクションを超えた現実味を帯びており、それがさらに読者の心に不安を植え付けるのです。
【ダーウィン事変】それでも根強い人気
マンガ大賞2022で大賞
気持ち悪いし怖いと思う読者もいる一方で『ダーウィン事変』は、マンガ大賞2022で大賞を受賞した作品であり、その高いテーマ性から多くの注目を集めています。
この作品は、第25回文化庁メディア芸術祭のマンガ部門でも優秀賞を受賞するなど、その評価は非常に高いものとなっています。審査委員であり、精神科医で批評家でもある斎藤環氏は、この作品に対する選評において次のように述べています。
「卓越した画力と意表を衝く奇想、正確な考証と緻密な構想、そして悠揚迫らぬ語り口で展開する壮大なストーリー。この作品ほど日本のマンガで説得力を持ってリアルな『アメリカ社会』を描き出した作品をほかに知りません。」
斎藤氏の評価は、『ダーウィン事変』の持つ独特の魅力と、その完成度の高さを余すところなく表現しています。まず、作者の卓越した画力についてですが、これはキャラクターや背景の細部に至るまで精密に描かれており、読者を物語の世界に引き込む力を持っています。また、意表を衝く奇想とは、この作品が提供する独創的なアイデアや設定が、読者に新鮮な驚きを与えることを意味しています。
テーマが壮大で深い作品
正確な考証と緻密な構想については、物語の背景や設定が詳細に調べられ、現実に基づいたリアリティを持っていることを指しています。この点が、物語の説得力を一層高めています。そして、悠揚迫らぬ語り口とは、物語が落ち着いたテンポで進行し、読者に深い感動を与えるストーリーテリングの技術を表しています。
これらの要素が組み合わさることで、『ダーウィン事変』は単なるエンターテインメント作品を超えた、社会的なテーマを深く掘り下げた作品となっています。
その結果、この作品は多くの読者に強い印象を残し、日本のマンガ界においても非常に高い評価を受けることになりました。『ダーウィン事変』は、まさに現代のマンガ作品の中で際立った存在感を持ち、今後もその影響力を広げていくことでしょう。
【ダーウィン事変】完結まで
ダーウィン事変1巻ネタバレ
15年前、動物解放同盟（ALA）が襲撃した研究所にいた雌チンパンジーは、人間とのハーフである「ヒューマンジー」を産みました。このヒューマンジーには「チャーリー」という名前がつけられ、彼は15年後に高校へ編入しました。
彼を育てた母親は、彼に「普通の高校生活」を送るように念を押しましたが、チャーリーは何かしら目立つ存在でした。その中で、彼は女子生徒のルーシーと出会いました。話すうちに、ルーシーはチャーリーを「1人のチャーリー」として興味を持ち、チャーリーも彼女に惹かれていきました。
一方、ニューヨークではALAがテロ事件を引き起こし、ヴィーガン運動に対する反発が高まっていました。15年前、ALAがチャーリーを救助したこと、そしてチャーリー自身がヴィーガンであることから、周囲は彼がALAとの何らかの関与を疑い始めたのでした。
動物解放同盟（ALA）は陰謀を巡らせ、チャーリーをそのリーダーとして仕立て上げる動きを始め、その計画はチャーリーの育ての親やルーシーにまで波及し始めます。訓練を受けた戦闘員たちによる襲撃に立ち向かいながら、チャーリーは非凡な身体能力を駆使して反撃しますが、ルーシーは依然として不安にさいなまれます。
この不安を解消するため、チャーリーは一人でALAのアジトに侵入します。そこで、裏で糸を引くALAのリーダーであるマックスと対決します。マックスは洞察力に富み、巧妙な裏工作を感じさせ、チャーリーを特別な存在として崇拝し、あらゆる策略を駆使して彼を組織に引き込もうとしているようです。
マックスはチャーリーを説得し、自首する演技をして逃走します。逃走中、仲間を傷つけ、その罪をチャーリーに着せ、そして姿を消してしまいます。
ダーウィン事変2巻ネタバレ
チャーリーは誤った罪状で拘留されており、その立場は彼がヒューマンジーであることから、人権の保護を受けられないために冷酷なものでした。そのため、彼は基本的な権利ですら享受できず、面会すら許可されません。
さらに、10年前には学校でのトラブルで自己防衛のために超人的な力を行使し、保安官たちを一人で制圧したという出来事がありました。この出来事に立ち会ったフィルを始めとする警察当局は、彼を危険視し続けています。
動物全体の権利に関する法制度を推進している下院議員リナレスの尽力により、10年前の事件は一般には広まりませんでしたが、その代わりにチャーリーは10年間施設から出ることが許されませんでした。
最近、リナレスの尽力により釈放されましたが、チャーリーの権利の獲得にはまだまだ道のりが険しいことを、両親は実感しています。
学校でテロ事件が勃発すると、チャーリーはどのような行動をとるでしょうか？ チャーリーの権利を取り戻すため、ルーシーは学校で友達を作るアイデアを提案します。その際、ALAの支持者であるゲイルがマックスに注目され、ゲイルはマックスの指示に従い、学校内で銃乱射事件を引き起こします。
チャーリーは冷静に行動し、生存の見込みが高い人々を保護し、警察に引き渡しますが、同時にルーシーが危険にさらされることを心配し、ゲイルと対決するために彼女の元に向かいます。このテロ事件は動画共有サイトで中継されており、警察に包囲されたゲイルは「ALAはチャーリーを待っている」と最後の言葉を残し、自殺を試みました。
その瞬間、ルーシーの指示に従い、過去の出来事を思い出し、チャーリーは本能的にゲイルの命を救い、彼女の自殺を阻止します。これを映像で見ながら、マックスは「これでいい」と微笑むのでした。
ダーウィン事変3巻ネタバレ
銃乱射事件の余波は各地で広がり、近隣住民はチャーリー一家に家を出るよう圧力をかけ、FBIもその機会を利用してチャーリーを排除しようとしていました。
絶体絶命の状況に立たされ、チャーリーはルーシーからのメッセージを受け取ります。そのメッセージには「名誉人間」という言葉が刻まれており、それがルーシーではなくマックスからのものであると確信します。彼は家を飛び出す決断を下します。
マックスは以前のテロ事件で、チャーリーにとってルーシーはただの一個体ではなく、特別な存在であると確信していました。彼は必ずチャーリーが助けに現れると信じていました。ルーシーが目を覚ますと、マックスにその真の目的を問い詰めます。
マックスの目的は、人類の進化を促進することでした。彼はヒューマンジーがダーウィンが議論した進化の転換点を加速する存在であると信じており、そのために動物の解放を試みていました。
大切な家を失ったチャーリーは…
一方、チャーリーは次々と戦闘員を倒し、アジトに向かいます。その途中、ALA（アームド・リベレーション・アーミー）に勧誘されますが、彼は「この世界に対して責任を感じない。なぜなら、ただこの世界に放り込まれたに過ぎないからだ」と強調します。
マックスは15年前、チャーリーの生物学的な父であるグロスマン博士から母親を救出するよう依頼されたことを明かします。その際、ルーシーの機転によって彼女の拉致計画が発覚し、フィルが到着しました。事態は解決したように見えましたが、ルーシーはマックスの真の狙いがチャーリーにとっての「巣」となる彼の両親であることに気づきます。
炎に包まれる家から、チャーリーは両親の遺体を回収しました。自己防衛の本能が目覚め、チャーリーは現場から逃走し、アジトでは警察に確保されたはずのマックスが警官を倒し、姿を消してしまったのです。
ダーウィン事変4巻ネタバレ
チャーリーは、自分を愛し育ててくれた両親を突然の事故で失い、帰るべき場所をなくしてしまいました。絶望の中、彼は動物解放同盟（ALA）に対して反撃の意思を固め、その怒りと悲しみを胸に立ち上がります。しかし、チャーリーの安全を確保するために、新たな里親としてフィルが名乗り出ます。フィルはチャーリーを保護し、彼を守るために秘密の場所へと身を隠すことにします。
その矢先、チャーリーの出生に関わる重要な事実が明らかになります。チャーリーの生みの親であるメスのチンパンジー・エヴァが危篤に。エヴァは、最後の力を振り絞りメッセージを遺す。
その言葉が、世界を一変させる。「私は二児の母である」という衝撃的な事実が判明する。この言葉により、チャーリーには双子の兄弟が存在することが判明します。
その兄弟の名前はオメラス。チャーリーはこれまでずっと自分が唯一無二の存在だと思っていましたが、この新たな事実によって、彼の人生とアイデンティティは大きく揺さぶられていく。
ダーウィン事変5巻ネタバレ
チャーリー、半分ヒトで半分チンパンジー。彼の存在は生物学的にも、倫理的にも興味深い生みの親であるメスのチンパンジー、エヴァの存在は、彼の生命に深い影響を与える。彼女のメッセージは、状況を急展開させ、チャーリーの運命を大きく変える。その真意が問われる中、彼は自らの運命と向き合うことを余儀なくされる。
エヴァの墓前で、チャーリーは自らと同じ血を分ける存在、オメラスと遭遇する。この出会いは、彼にとって衝撃的であり、運命の転換点となる。チャーリーは彼に向かって問いかける。
“君は、ハンナとバートを殺したのか？”オメラスの答えは明確だった。”Right.”
この瞬間、二人の運命が交差する。彼らは殺し合う運命にあるのだろうか。戦いに負けたチャーリーそしてオメラスはエヴァからではなく代理母から産まれた真実も明らかに。
一方、サラはゴルドン社を訪れ、グロスマンの居場所を尋ねるが、アンドリューは知らないと言う。しかし、サラの研究に関与していることを見抜かれ、アンドリューに博士の居場所を聞いた結果、「博士はもういない」と告げられる。同時に、リヴェラとオメラスは行動を起こし、同志を集めて歴史を変える計画を始める。
一方、チャーリーたちはサラの情報を得て、ニューヨークへ向かい、ALAの目的を突き止めるためにサラを探す。
ダーウィン事変6巻ネタバレ
ニューヨークを舞台に、遺伝上の父親であるグロスマン博士を探すためにやってきたチャーリー達。しかし、そこでALAの同時多発テロが発生！現場に向かった里親のフィルとチャーリーも駆けつける。銃が乱射される中、チャーリーはサラ・ユァン博士を発見し、ALAに雇われたテロリスト・フェルディナンと格闘する。
その最中、避難したユァン博士にフィルとルーシーが問い質す。「エヴァ以外に妊娠していたチンパンジーはいなかった？」その時、議会とホワイトハウスが同時襲撃される映像が！そこに映っていたのはチャーリーの弟・オメラスだった。
そしてサラ・ユァン博士が「私が”ベータ”オメラスをこの世に生んだ」と代理母と告白した
同時に起こるテロ攻撃にチャーリーの弟・オメラスが関与していたことが明らかになり、グロスマン博士がヒューマンジーを生み出したい理由がダーウィンの処理手順であることが明らかになる。
ダーウィン事変7巻ネタバレ
チャーリーは、バイオベンチャー企業であるゴルトン社がグロスマン博士の行方を知っているという情報を耳にした。彼はその情報を頼りに、ゴルトン社の社長との接触を試みる。そして、ついにゴルトン社の社長との面会を果たし、グロスマン博士と対面することができた。しかし、チャーリーは到着したときに驚くべき事実を目にする。グロスマン博士はアルツハイマー病に冒され、その状態がますます悪化していることが明らかになった。
一方、サラ・ユァン博士もまた、オメラスの秘密である蜘蛛についての話を始める。この蜘蛛は、オメラスの後頭部に取り付き、彼を制御する力を持つ。サラは、タイミングを見計らって蜘蛛を利用してオメラスを無力化しようとするが、オメラスは驚くべき行動に出る。彼は自らその蜘蛛を取り除いており、サラの計画を打ち砕いてしまう。
絶望の中オメラスはルーシーを連れ去っていく。
違法サイトを利用すると危険
違法サイトを利用してアニメを見たり漫画を読むと、様々なリスクが伴います。
例えば、自動的に危険な広告が開かれたり、権限付与を求められたりすることがあります。このような詐欺行為やウイルスに感染する可能性があるため、安全とは言えません。
実際に、権限を付与してしまった場合には、個人情報を抜かれる危険性があることが報告されています。また、違法ダウンロードを行った場合には、法的な罰則が科せられる可能性もあります。
そういったリスクを避けるためには、公式サイトや有料サイトから漫画を購入するか、無料で読める合法サイトを利用することがおすすめです。安全かつ安心して漫画を楽しむためにも、違法サイトの利用は避けましょう。
以上のように、違法サイトの利用は、詐欺やウイルス感染、個人情報漏洩などのリスクがあるため、安全性が保証されていません。違法行為には法的な罰則も存在することから、公式サイトや有料サイト、合法サイトから漫画を読むことが大切です。
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