「凍犬しらこ」は、KADOKAWAから出版された安原萌先生による作品です。しかし、中にはこの作品を「つまらない」「ひどい」と感じる読者もいるようです。この記事では、どのような理由で読者がこの作品についてそう感じるのかを紹介したいと思います。
凍犬しらこのあらすじ
1月20日に安原萌先生の『凍犬しらこ 1』が発売です。#凍犬しらこ #安原萌 #青騎士 #漫画 #マンガ #北海道 pic.twitter.com/W1hYgrwwW4
— 青騎士 (@aokishimanga) January 15, 2023
世界はこれから温暖化が進んでいく。春を待つ人々は喝采を挙げて春を待っていた。だが、暖かくなると凍犬(とうけん)は溶けてしまう。
それはしらこにとっては死を意味する。「ペットよりも自分の幸せをつかみなさい」「凍犬(とうけん)は消えるのがさだめよ」「あきらめなさい、太一」希望を待つ、楽しげな周囲の人々に背中を向けて、太一はひとり、永遠に冬が続く土地「虹の根」へ旅に出た。
凍犬しらこがつまらないひどいと評価する読者の感想
学的な問題の暗さが苦手な人には刺さらない
「凍犬しらこ」は終末モノである一方で、再生の希望が描かれている作品です。アクションやバトルシーンはあまりなく、比較的明るい作品ではありますが、激しい展開を期待する読者には物足りなさを感じるかもしれません。
この作品は、変わろうとする世界においてどう生きるべきかという哲学的な問題を描いた作品でもあります。主人公の暗さがにじみ出ているため、幸せになる世界から背を向けて生きるという選択をする姿勢が見受けられます。このようなテーマを扱っているため、作品に対する評価は好き嫌いが分かれるでしょう。
作品中には、人々が生きるために必要なものや、人間の存在意義についても考えさせられるシーンがあります。そのため、読者が感じる作品の価値観や世界観との相性によって、感想が大きく異なることが予想されます。全体的には、アクションではなく深い思索を描いた作品であるため、その独特の魅力がある一方で、読者の好みによっては物足りなさを感じることもあるでしょう。
スローペースで進んでいく展開に退屈していしまう
「凍犬しらこ」は、物語の展開がスローテンポであり、激しい感情の起伏はあまりない作品です。また、世紀末モノである一方で、世界は再生していく課程にあるため、秩序がもたらされていく世界を描いています。この世界観により、激しいアクションの展開は皆無であることが特徴です。
物語は主人公が旅先で出会った人々と心を通わせていく内容になっており、そのために激しい展開やアクションは期待できません。このような描写により、作品に対する評価は人によって分かれることが予想されます。
一部の読者にとっては、退屈に感じる展開かもしれません。しかしながら、作品は世界観や哲学的な問題を探求するためにスローペースで進んでいく物語であるため、そこに魅力を感じる読者も少なくありません。
作品中には、主人公が出会う人々との交流を通じて、人間の本質や生きる意味について考えさせられる場面があります。そのため、アクションがなくても深い思索によって読者を引き込んでいく作品です。全体的に、スローペースであるために退屈に感じる読者もいるかもしれませんが、作品が探求する哲学的なテーマに興味を持つ読者には、魅力的な作品となるでしょう。
人間の欲望や苦悩が暗すぎてしまう
「凍犬しらこ」の世界観は、世界の再生が舞台となっており、希望に溢れている一方で、どこか暗い影がある演出もあります。混迷の時代の中で失う人々も存在するため、作品によって好き嫌いが分かれる可能性があります。
作品は明るい作風ではありません。人間的な部分の醜さや、人間性の醜い人物の描写などがあるため、一概にポジティブな作品とは言えません。精神的に堪えてしまう内容もあり、読者の好みによっては受け入れがたい部分もあるでしょう。
一方で、作品は深い思索を描いた作品でもあります。人間の欲望や苦悩、そしてそれらを乗り越えるための希望や愛情といったテーマを探求しています。このような深みのある描写によって、作品に魅力を感じる読者も少なくありません。
作品中に登場するキャラクターたちも、それぞれに魅力的な一面があります。しかし、同時に彼らには欲望や弱さ、憎しみといった人間的な側面もあります。このような描写が、作品の世界観をよりリアルなものにしていると言えるでしょう。
全体的に、作品は明るい部分と暗い部分を併せ持っており、混沌とした世界の中で生きる人々の姿を描いた作品です。そのため、作品に対する評価は読者によって分かれることが予想されます。
凍犬しらこが面白いと思う3つの理由
氷河期から立ち直る世界の物語に注目のある見どころ!
「凍犬しらこ」は、氷河期の終わりを迎えようとしていた世界を舞台にした物語です。作品は、凍れる身体を持つミュータント犬である「しらこ」をどうやって活かしていくのかという問題を、主人公の太一が考える様子を描きます。太一はしらこを守るための方策を模索しながら、彼の優しさを通じて人間ではない存在を守ろうとする姿勢が描かれます。
作品は、優しさに満ちた物語として注目されています。主人公の太一がしらこを守るために奮闘する姿勢や、彼の優しさが物語の鍵を握っている様子が印象的です。また、作品は人間以外の存在を守ることの大切さや、優しさの力によって奇跡を起こせることを示唆しているため、読者に深い感銘を与えることがあります。
作品は、冒険活劇的な展開と、深い思索に基づく描写の両方を兼ね備えています。太一がしらこを守るために、様々な困難や障害に直面しながらも、彼らの絆を深めていく様子は、読者の心を打つことでしょう。一方で、作品は人間とは何か、存在する意味や生きる意義といった哲学的な問いにも立ち向かっています。
全体的に、作品は独特の世界観と、深いテーマを探求するストーリーが魅力的な作品として注目されています。主人公の優しさや、人間としての大切なものを再確認することができる作品であるため、多くの読者に愛されています。
凍犬「しらこ」の存在感
この作品の中心となる存在であるしらこは、犬のようなミュータントとして描かれています。劇中では、しらこは氷河期において世界で唯一、寒さの中で生きることができる生き物であることが明らかにされています。また、しらこは太一と言葉を交わすことができる知能を持っているため、新しい生命体として描かれています。
作品では、しらこの存在が物語の要として描かれています。地球の氷河期が終わりを迎え、しらこの生存が危ぶまれる中、太一はしらこを活かすために、永遠の冬が続く場所を探すことになります。このように、しらこは物語を牽引する重要な存在として描かれています。
作品は、しらこと太一の深い絆を描いた物語でもあります。しらこは太一にとって、大切な仲間であり、彼を励まし、支える存在です。太一がしらこを守るために、様々な困難や危険に直面しながらも、彼らの絆を深めていく様子は、読者の心を打つことでしょう。
また、作品は、新しい生命体の可能性を探求する作品でもあります。しらこのような存在が、地球上に存在する可能性や、人間との共存の可能性を示唆しているため、深い思考を促します。
全体的に、しらこの存在は作品の要として描かれており、作品のテーマやストーリーに大きな影響を与えています。しらこと太一の絆や、新しい生命体の可能性を探求する作品として、多くの読者に愛されています。
太一の存在感
主人公である太一は、氷河期に生きる若者として描かれています。彼はしらこを家族として大切にし、彼女が世界が暖かくなることで生きられなくなってしまうことを知り、自分を犠牲にしてでもしらこと生きようとする意志を持っています。
太一がしらこを大切にする理由は、彼女が太一にとって心の拠り所であるからです。彼女がいることで、太一は強く生きることができ、彼女に対する深い愛情によって、太一の存在意義や生きる意味が深く結びついていると言えます。
また、太一の愛情のあり方も、作品の魅力の一つとなっています。彼はしらこを家族として大切にし、自分自身を犠牲にしてでも彼女を守ろうとする意志を持っています。このような、相手を大切に思う愛情や、献身的な行動は、読者の心を打つことでしょう。
作品は、太一のような主人公の成長と、彼としらこの絆を描いた物語として、多くの読者から支持を得ています。また、作品の中で描かれる愛情や人間らしさによって、読者の心に深い感動を与えることでしょう。
凍犬しらこネタバレ感想レビューまとめ
氷河期となってしまい世界が滅亡するのではと、恐怖包まれていた世界も終わり、新しい希望が芽生えた世界において、家族である凍犬のしらこを守る為に、暖かい世界から寒い世界を目指そうとする、
主人公の太一の孤独な旅となる物語。本作はアポカリプス社会を舞台しながらも、再生し、復興しようとする明るさがあるも、その明るさから背ける様に生きようとする太一と、そんな彼を心配するしらこの存在感が読ませる内容となっています。
本来ならば世界が再生すると喜ぶべきなのに、自分とは違う存在であるしらこを助けるために、遠い寒い世界へと向かおうとする太一。
そんな彼の優しさを嬉しくは思うも、彼の事を心配するしらこと、この作品では優しさがどのような形で人を救い、また人を苦しませていくのかと、寒さを感じる中に温かみの意味を教えてくれる内容とも言えます。身体の凍える気持ち癒やしてくれる心の温もり。
それを伝えてくれる作品です。
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