『GTO』シリーズでもおなじみの“ベンツ壊され副校長”こと内山田ひろしを主役に据えた異色スピンオフ漫画『GTU -怒りのDEATH山田-』。
ギャグキャラとして定着していた彼が、まさかの異世界で命を懸けたバトルを繰り広げるという衝撃展開に、読み進めるほど目が離せなくなった読者も多いはず。家出少女・七海の運命は? 内山田の“教育”は、死を超えた世界でも通用したのか?本記事ではネタバレありの感想を紹介したいと思います。
【GTU -怒りのDEATH山田-】あらすじ
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— MANGA Watch (@mangawatch_jp) April 3, 2025
東京吉祥学苑・高等部副校長 内山田ひろし。 家庭でも勤務先の学校でも肩身の狭い 思いをしている中年男性。 そんな内山田が、家出した生徒・七海を捜しに 歌舞伎町を訪れたことで、彼にとって 「人生最悪の悪夢」が始まるのだったーー。 想像を絶する世界で、かつてない敵に 内山田の“教育”は通用するのか!?
【GTU -怒りのDEATH山田-】作品情報
GTU -怒りのDEATH山田
著者
藤沢とおる
カテゴリ
青年マンガ
出版社
ヒーローズ
レーベル
ヒーローズ
【GTU -怒りのDEATH山田-】ネタバレ感想
意外すぎるスピンオフの幕開け
「GTU -怒りの DEATH 山田-」は、かつて『GTO』でギャグ要員としておなじみだった副校長・内山田ひろしを主役に据えた、まさかのスピンオフ作品だ。家庭でも職場でも居場所のない、冴えない中年男・内山田が、家出した女子生徒・七海を探しに歌舞伎町を訪れたことから、彼の人生は一変する。ヤンキーたちのカーチェイスに巻き込まれ、挙句の果てには大事故によって命を落とし、死後の荒廃した異世界に飛ばされるという怒涛の展開は、読み始めた瞬間から一気に引き込まれる。
異世界でも“教育”を貫く?破天荒すぎるサバイバル劇
内山田が飛ばされた先は、生と死が曖昧になったような、凶暴で絶望的な世界。そこで彼は、常識がまったく通じない不死身の敵たちと対峙することになる。しかし、そんな極限状態でも内山田は“教育者”としての信念を捨てずにいる。暴力だけではなく言葉でぶつかり合おうとする姿は滑稽に見えるが、その根底には本気で人を変えようとする熱い想いが込められている。これまでの内山田のイメージを覆すような、必死で泥臭い姿に、自然と読者の心も動かされていく。
ギャグだけじゃない、内山田の再評価と成長物語
本作の魅力は、その突飛な設定や笑いに満ちた展開だけにとどまらない。これまで『GTO』で“情けない大人”として描かれてきた内山田が、本作では“人間味あふれる大人”として再構築されているのだ。彼はただの教師ではない。弱さを抱えながらも、自分なりに誰かを救おうとする姿は、まさに“もう一つの青春”とも言える。読者は気づけば、内山田の成長を応援し、彼の一言一言に胸を熱くさせられている。
家出少女・七海の存在が物語に深みを与える
内山田が追いかける家出少女・七海の存在も、物語に重要な意味を持っている。彼女を助け出すという目的は、内山田にとっての希望であり、彼が異世界での苦難に立ち向かう理由でもある。彼女を通じて描かれる“若者の痛み”と、それに寄り添おうとする“大人の覚悟”は、読み手に強い共感と余韻を残す。ただの救出劇では終わらない、心の成長と絆の物語がそこにはある。
結末まで目が離せない魂の異世界教育バトル
「GTU」は一見ふざけたスピンオフに見えるが、その実、内山田というキャラクターの再発見であり、『GTO』という作品が持っていた“教育”というテーマの本質を、別角度から深く掘り下げる意欲作だ。バカバカしいのに心に残る、ありえないのにリアルに感じる——そんな不思議な魅力がこの作品には詰まっている。内山田の“教育”は異世界でも通じるのか? そして七海の運命は? 結末まで一気読み必至の、魂が燃える異色の冒険譚だ。
【GTU -怒りのDEATH山田-】おすすめ読者
内山田ひろしというキャラに少しでも引っかかっていた人
まず何より、本作は『GTO』を読んだことがある人、特にあの内山田のキャラに「なんだこの人……」と印象を持ったことがある人にはぜひ読んでほしい。『GTO』の中ではどこか滑稽で、小物で、そして毎回ベンツを壊される哀れな副校長だった彼が、まさかの主役として命をかけた戦いを繰り広げる姿は、それだけで一種のカタルシスがある。そして読み進めるうちに、ただのギャグキャラでは終わらなかった内山田という人間の“芯”を知ることができる。これは“キャラ再評価”の快感を存分に味わえる一冊だ。
異世界ものに食傷気味な人、テンプレに飽きた人
今やあふれるほど存在する異世界転生・転移ジャンルにおいて、「GTU」は完全に異色の存在だ。転生するのは若者でも最強の剣士でもなく、冴えない中年副校長。しかも彼の武器は拳でも魔法でもなく、“教育者としての信念”と“言葉”だ。だからこそ、異世界ものの定型的な展開に疲れてしまった人にこそ、読んでみてほしい。「またこういうのか」と思ったところから、「こんな展開、見たことない!」という驚きが待っている。
社会に疲れた大人たち、自分に自信を持てなくなっている人
内山田は、決して完璧な人間ではない。家庭では居場所がなく、職場では生徒からも教師からも尊敬されていない。そんな彼が、死後の異世界でボロボロになりながら、それでも他者のために声を上げ、行動しようとする姿は、現代社会で息苦しさを感じている大人にとって強い共感と励ましになる。失敗ばかりの人生でも、それでも何かを変えようとすることに意味がある——そう教えてくれる物語だ。
人の心に届く言葉を探している人
「教育とは何か」「人を本当に変える力とは何か」——この作品はそんな問いを、内山田という予想外のキャラクターを通して真摯に投げかけてくる。教育現場に関わる人はもちろん、親として、上司として、人を導く立場にいる人たちにも強く刺さるテーマが詰まっている。異世界の荒廃した地で、それでも言葉の力を信じようとする姿は、今を生きる私たちにこそ響く。
つまり「GTU -怒りの DEATH 山田-」は、ただのファン向けスピンオフではない。笑えて、熱くて、ちょっと泣けて、気づけば自分の人生にも何かを重ねてしまう。そんな深みを持った作品だからこそ、思春期の若者から、社会に揉まれる大人まで、さまざまな層におすすめできる唯一無二の物語だ。
【GTU -怒りのDEATH山田-】ネットの声

GTOを読んだ人は必見のスピンオフ。内山田ひろしの魅力が満載。

現実世界を描いてきたGTOから大きく路線変更。まさかの死後の世界で葛藤する内山田が最高に面白い。

ヒロインの家出少女七海がちゃんと更生できるかも教師もの要素の醍醐味ですね
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【GTU -怒りのDEATH山田-】最終話や結末話は
漫画「GTU -怒りのDEATH山田-」はまだ完結しておりません。
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