漫画『ドランクバレット』その名の通り「酒飲み帰還兵」が織りなす物語。作者は高口楊が手がけるこの作品は、単なる戦争帰還兵の話ではありません。結末や最終話ではどのようになるのでしょうか?詳細なネタバレ感想をお届けしますので、ご注意ください。
【ドランクバレット】あらすじ
お酒は楽しくほどほどに! #ジャンププラス https://t.co/4JZDGPdbF3
— 高口楊 (@takaro_ya) June 16, 2024
「少年ジャンプ+」掲載時のカラーページを完全収録!!】舞台は20世紀初頭、第一次大戦終結後のアメリカ。第一次大戦からの帰還兵・ギャリーは、酒を飲むことだけを楽しみに過酷な戦場を生き抜いてきた。しかし帰国した彼を待っていたのは「禁酒法」だった―― ただ酒が飲みたいだけのギャリーの前に、法律とギャングが立ちはだかる――!? 「酒を求め戦う」冒険譚、始動!
【ドランクバレット】作品情報
ドランクバレット
著者
高口楊
カテゴリ
少年マンガ
出版社
集英社
レーベル
少年ジャンプ+
【ドランクバレット】ネタバレ感想
タイトルに込められる意味
『ドランクバレット』のタイトルには、いくつかの意味が込められている可能性があります。
まず、「ドランク」は「酔っ払った」「酒に酔った」という意味で、主人公や登場人物たちの飲酒やその影響を示唆しています。物語における「酒飲み帰還兵」という要素がこの言葉に繋がっていると考えられます。
「バレット」は「弾丸」や「弾」を意味し、戦争や暴力、武器を象徴するものです。この要素が物語における戦争や暴力の背景を反映している可能性があります。
タイトル『ドランクバレット』は、戦争や暴力という重いテーマと、それに対する逃避としての飲酒やその影響がうまくタイトル回収をされています。
酒と戦争という強烈なテーマ設定
漫画『ドランクバレット』の魅力は、酒と戦争という二つの強烈なテーマを巧みに結びつけた独特のストーリー展開にあります。主人公ギャリーは、第一次世界大戦を生き延びた帰還兵でありながら、戦場での過酷な体験を心の中に抱え、唯一の心の支えである酒に依存しています。
しかし、彼が帰国したアメリカは禁酒法が施行されており、合法的に酒を手に入れることができません。この設定自体が、酒を求めるギャリーの絶望感や苛立ちを強く際立たせています。
至高の一杯を求めたバトル
ギャングとの対立シーンです。ギャリーが酒場を守るために帰還兵としての戦闘スキルを発揮する場面では、彼の内面に潜む戦場の記憶が表に現れ、読者に緊張感を与えます。このシーンは、戦争の後遺症と禁酒法時代のアメリカという背景が絶妙に融合した瞬間であり、ギャリーがただの酔っぱらいではないことを証明する重要な展開です。
最も印象的なのは、ギャリーが「至高の一杯」を求めて命を懸けるという姿勢です。酒は彼にとってただの嗜好品ではなく、生きる目的であり、戦場で失ったものを取り戻すための象徴です。その追求は単なるアルコール依存の物語にとどまらず、彼の人生そのものを映し出しています。
『ドランクバレット』は、ギャングや密造酒が横行する禁酒法時代のアメリカを舞台に、戦争の痛みと酒への執着が交差する独特の雰囲気を持った作品です。
【ドランクバレット】おすすめ読者
『ドランクバレット』は、戦争や禁酒法時代のアメリカに興味がある読者や、深いテーマ性を持ったストーリーを楽しみたい方に特におすすめです。以下のような読者に向いている作品だと言えます。
歴史に興味がある読者
『ドランクバレット』の魅力の一つは、物語の背景として描かれている第一次世界大戦後のアメリカや禁酒法時代の独特な雰囲気にあります。戦争直後の社会は、多くの帰還兵が戦場での辛い経験や心の傷を抱えながら帰国し、彼らを待ち受けていたのは、以前とはまったく異なる社会状況でした。特に禁酒法が施行されていた当時のアメリカでは、合法的にアルコールを楽しむことができず、国全体が厳しい規制のもとで生活していたのです。
禁酒法時代は、表向きにはアルコールの消費を抑え、国民の健康や道徳を守るという名目で実施されましたが、その裏では密造酒や闇取引が横行し、ギャングや裏社会が勢力を拡大していました。こうした時代背景が、『ドランクバレット』の物語にリアルな緊張感をもたらしています。酒を求める人々と、それを取り締まろうとする政府、そしてその隙間を縫って利益を得ようとする犯罪組織との間で繰り広げられる攻防戦は、読者に常に張り詰めた空気を感じさせます。
ダークでシリアスなストーリーを好む読者
主人公ギャリーが酒に対して強い執着を持ち、彼の人生における唯一の救いとして酒を求め続ける姿や、それに関連するギャングとの危険な対立を描いた、非常にダークで重厚なテーマを扱っています。物語全体に漂うシリアスな雰囲気が、作品の独特な緊張感を引き立てており、単なる娯楽作品ではなく、より深いテーマ性を感じさせます。ギャリーは、戦争の後遺症に苦しむ帰還兵として心に多くの葛藤を抱えながらも、それを酒で紛らわせることしかできないという内面的な闘いを続けています。
彼が酒を求める理由には、単なる依存症ではなく、戦場で失われた自分自身や、戦争で奪われた仲間の命、そして自分の人間性への痛みが深く絡んでおり、そうした複雑な感情が物語の進行とともに少しずつ明らかになっていきます。このようなギャリーの内面的な葛藤は、読者に強い共感を呼び起こす要素であり、戦争後の心の傷がいかに深いものであるかをリアルに描き出しています。
ノワールやハードボイルドな物語が好きな読者
禁酒法時代という背景を活かし、物語に登場するギャングや酒場のシーンは、独特の緊張感と危険な雰囲気を醸し出しています。密造酒を巡る暗躍や、ギャング同士の勢力争い、そしてその裏でひっそりと酒を求める人々の姿が描かれ、作品全体がノワール映画のような暗く陰鬱な世界観に包まれています。この時代ならではの犯罪や裏社会の暗部に焦点を当てた描写は、禁酒法の時代背景を活かし、リアルな社会的緊張を反映したものとなっています。
さらに、主人公ギャリーは、無骨でありながらも繊細な一面を持つキャラクターで、その外見や振る舞いだけではなく、心の奥底に抱える葛藤や苦悩も含めて、ハードボイルドな雰囲気を醸し出しています。彼のキャラクターは、一見冷たく感情を抑えたように見えますが、実は戦争で受けた心の傷や酒に対する執着が、彼の行動の根底にあります。無骨な男が静かに、しかし強く生き抜く姿は、ノワールやハードボイルド作品が好きな読者にとって、非常に魅力的に映るでしょう。
『ドランクバレット』は、重厚なテーマを扱いつつもエンターテイメント性を損なわず、歴史的背景と個々のキャラクターが深く絡み合った魅力的な物語を楽しめる一作です。
【ドランクバレット】ネットの声
前作腹腹先生がアングラなお話だった反動か今回は爽快活劇アクション。
禁酒法時代のアメリカでお酒大好きな帰還兵がギャング相手にドンパチする話です。絵とコマ割りが上手くてめちゃくちゃ好き。話が面白い。会話のテンポが良い。
ハードボイルドな展開もいいですし、ギャグ多めです。今後、その時代のアメリカの雰囲気や出来事とかをもっと知れたら良いです。
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【ドランクバレット】最終話や結末話は
漫画「ドランクバレット」はまだ完結しておりません。最終話では、以下のテーマが展開されると予想されます。
ギャリーの「酒への執着心」がクライマックスで最も重要な要素となり、彼が「至高の一杯」を求める執念の結末が明らかになります。戦場で培った「戦闘術」も大規模なバトルで最大限に発揮され、禁酒法時代の裏社会との戦いが描かレルと思います。
そして、ラスボスとの最終対決で、ギャリーが本当に求めていたものが「至高の一杯」ではなく、心の平穏やトラウマからの解放であることに気づくかもしれません。
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