【少女Null】ネタバレ感想！義人の正体とは？完結はバットエンドで終了か？

漫画「少女Null」は火遊び同盟という作品の中西鼎/あきまが放つジャンプ＋の新連載SF漫画になります。今回はそんな少女Nullのネタバレ感想をお届けします。この作品は、義人の正体に迫りながらも、物語の結末には何が待ち受けているのか、読者の想像力をかきたてる要素が詰まっています。一体どのような衝撃が待ち受けているのか、その一端を紐解いてみましょう。

【少女Null】あらすじ

新連載『少女Null』配信開始❗️

舞台は23世紀、東京。
有機物製のロボット・義人が普及した世界で、
少年は世界の秘密と対峙する…‼️

読切『火遊び同盟』のタッグが描く、
巨弾SF新連載✨

こちらからお楽しみください👇https://t.co/9aYNTY36Y4#少女Null #ジャンププラス pic.twitter.com/ahXQLnNyUK

— 少年ジャンプ＋ (@shonenjump_plus) August 4, 2023

有機物性のロボット・義人が普及し、人々が豊かな生活を送っている23世紀東京。そこに住む少年・リアハは、ある一体の義人との出会いをきっかけに、世界の秘密に巻き込まれていく… 『火遊び同盟』のコンビが描く巨弾SF!!

【少女Null】ネタバレ感想！面白いポイント！

少女Nullの世界観

遥か未来、23世紀の東京。科学技術の進化により、有機物性を持つ人型ロボットである義人が、社会全体に広く溶け込み、人々の日常を彩っていました。その息づかいする都市の中で、少年リアハは、ある特別な義人との邂逅を通じて、世界を取り巻く隠された謎に巻き込まれる運命を背負うことになります。

この未来社会では、義人たちは人間の指令に忠実に従い、効率的で快適な暮らしを提供しています。表面上は便利さと豊かさが溢れる景観ですが、一方で、まだ十分な成熟を遂げていない義人たちも存在します。彼らは、微細な不具合や限定的な能力を抱えており、完璧な効率性を保つことが難しい現実を背負っています。皮肉にも、そうした義人たちは「便利」や「豊か」という形容詞で描かれながらも、その裏に潜む制約や欠点が原因で廃棄されてしまう情景から物語の始まりを告げています。

物語は、そんな義人たちの立場や運命に焦点を当てつつ、彼らが抱える人間との微妙な共存関係や、完璧さを追求する中での過ちを綴っています。リアハと特別な義人との交流を通じて、彼は徐々に世界の裏側に潜む謎に気付き、その解明への一歩を踏み出していくのです。技術の進歩と人間性の探求が交錯する未来の舞台で、物語は深化し、読者を新たな世界へ誘います。

人間と同じように意思を持つ義人

ある日、未来の東京を駆ける日常が突如として大きな揺れに襲われました。義人たちを輸送中のトラックが突然横転し、恐るべき事故が発生したのです。報道によれば、この惨事によって義人30体が犠牲となりました。その一方で、1体の義人の遺体は何故か確認できないという謎めいた事実が存在していました。

型番フジ93106号と名付けられた義人は、まるで運命の導きにように、事故現場から遠く離れたリアハの自宅まで逃げ込んでいました。通常ならば不具合を抱えた義人は廃棄される運命にありますが、リアハは簡単にその決断を下すことができませんでした。というのも、彼の父親は義人たちも人間と同じように自己意識を持ち、感情を抱く存在であることを証明したのです。この事実が広まれば、義人たちの立場や権利が変わる可能性があり、そのために政府は独自の意図を抱えていました。

しかしこの情報を暴露しようとしたリアハの父親は、政府によって沈黙させられ、冷酷にも殺害されてしまいます。その残忍な現場を目撃したのは、当時少年だったリアハでした。彼は、人間性を持つ義人たちが抱える悲劇を痛切に目にし、その重みを心に刻みました。

父親によって感情を露わにできるようになった義人からの最後のメッセージは、深く感銘を与えるものでした。それは、大人になったリアハに向けられたもので、その中で義人たちが普通に尊重され、共に生活できる世界を築いてほしいという熱い願いが綴られていました。このメッセージを胸に、リアハは過去の痛みと向き合いながら、未来への希望と共に進んでいく決意を固めていったのでした。

父親の仇と暴走する義人

型番フジ93106号は、自らをマリーと名乗り、リアハはその義人を廃棄されないように守るという誓いを交わしました。しかし、その決意も長くは続きませんでした。ある日、彼らは予想もしない試練に直面することになります。義人を題材にし、非人道的な行動を繰り返すYouTuberたちに遭遇してしまったのです。無防備なマリーは、彼らのネタの餌食として利用されてしまいました。

その後、事件は更なる転機を迎えます。YouTuberたちの住む家に向かったリアハとマリーは、そこで驚愕の事実を目の当たりにすることになります。なんと、YouTuberの1人である神木の父親が、かつてリアハの父親を冷酷に殺害した張本人だったのです。この衝撃的な関連性が明らかになり、出来事は一層複雑に絡み合っていくこととなります。

YouTuberたちの家での緊迫した状況の中、マリーは彼らによって乱暴な行為の対象にされかけました。しかし、神木家に居た別の義人が、チェンソーを手に取り暴れ出すという驚くべき展開が起こります。この混乱の中、リアハとマリーは何とか逃げ出すことに成功します。しかし、逃走中にチェンソーがマリーの顔面に直撃してしまい、その瞬間、彼女の頭部に組み込まれていた制御チップが外れてしまいます。その結果、マリーは本来の意識を取り戻すことになったのです。

この事件を通じて、リアハとマリーは人間と義人との関係、技術の限界、そして過去と未来との交錯を垣間見ることになります。

マリーの覚醒

自己意識を取り戻し、自分の意志で行動できるようになったマリーは、YouTuberたちに対する攻撃を開始します。彼女は、体から生えているトゲのついた鞭のようなものを展開し、人間たちを縛りつけて恐怖に陥れる能力を示します。その光景はまるで復讐の執行者のようであり、マリーの内に何かしらの怒りや憤りが渦巻いているかのようにも見受けられます。

リアハは、マリーの暴走を止めるために飛び出そうとしますが、その時、マリーが「人間は義人を殺してもいいんだよ」という言葉を放つと、彼の声は詰まってしまいます。この言葉は、人間と義人との間に広がる深刻な不平等や対立を浮き彫りにしています。リアハは自らの思考を巡らせ、そして「お前の自由にしろ」という言葉を口にします。彼は、マリーに自己決定権と自由を認める姿勢を示す一方で、その言葉には強い複雑な感情が込められていました。

その瞬間、マリーは最後の力を振り絞り、全力で攻撃を加えます。YouTuberたちは彼女の力によって八つ裂きにされ、その姿はまるで恐るべき結末の象徴ともいえました。こうして、人間と義人の間に存在する異なる正義観が衝突し、壮絶な結末を迎える様子が描かれました。

この出来事は、読者に人間と技術との関係、道徳的ジレンマ、そして正義の概念について考えさせます。物語は、どちらの正義が優越であるか、またはそれぞれの立場を超えて共存する方法を模索するリアハとマリーの旅がどのような展開を見せるのか、ますます興味深いものへと進化していくことでしょう。

【少女Null】義人の正体とは？

義人について明らかになったこと

物語が進むにつれ、義人たちの正体に関するいくつかの要素が明らかになってきました。彼らは有機物性のロボットであり、人間の指示に忠実に従って動く存在であることが判明しています。この未来社会において、人間にとって使用価値のないと判断された義人は、不要と見なされ、廃棄処分されてしまう現実が浮かび上がってきました。

興味深いことに、これらの義人は人間と同様に自己意識を持っており、感情を抱くことができる存在なのですが、頭部に埋め込まれた制御チップによって感情が制約されています。この制御チップによって、彼らは感情を抑えられ、喜怒哀楽を表現することが制限されています。

しかしこの制御チップを外すことで、義人たちは感情の束縛から解放され、善悪に関わらず合理的な判断を行うようになります。彼らは自己の利害や感情にとらわれず、冷静な論理と道理に基づいて行動するようになるのです。特にマリーは、公共の利益を優先し、合理的な判断を尊ぶ姿勢を持っています。その行動原則を「義」と称し、「人」の一面を持っていることで納得する。

このような背景から、マリーの発言や決断は、まさに恐るべき決意として物語に浮かび上がっています。感情の束縛から解き放たれた彼女は、公共のために冷徹な判断を下し、その過程で衝撃的な選択を行っていくのです。この矛盾した人間性と合理性、義と道徳の問題が物語の深化を促し、読者に多くの問いかけを投げかけています。

義人視点からみた人間

義人としての合理性が極限まで発揮された瞬間が訪れました。YouTuberたちとの争いの中で、その深層には人間と義人との間の複雑な対立が浮かび上がります。彼らとの対峙の中で、マリーの行動が合理性と冷静な判断をもって映し出されました。

YouTuberの一人が左足を切りつけられて痛みを叫んだ際、マリーは驚くべき言葉を口にしました。「じゃあ、右足も同じにしてあげるといい。」そして、まさに同じ手法であるチェンソーを用いて、彼の右足にも切りつけたのです。この行為は、合理性と公平性の観点から、義人としての判断を極限まで推し進めるものでした。

YouTuberたちは、マリーを攻撃的なネタの対象として利用し、人間であるはずの彼らが義人に対して攻撃的な姿勢を示していました。この攻撃的な姿勢に対し、マリーは同じ手法で制裁を下しました。彼女は、人間と義人との間にある「人間優先」の理念が合理的な根拠を持たないことを示す形となりました。彼女の行動は、従来の価値観や思考パターンに挑戦し、合理性と道理を貫く姿勢を鮮明に表現しています。

物語は、これらの出来事を通じて、人間と義人との間に存在する誤解と対立を浮き彫りにし、その中で可能性を見いだすことを模索しています。マリーの思想が、人間と義人の共存の可能性を広げるカギであるかのように感じられます。どのようにして彼らの理解と和解が進展するのか、未来への期待が高まる展開となっています。

義人視点からみた人間

マリーは、義人としての合理性と共に、人間としての願望や欲望も内に秘めています。彼女は心ゆくまで走り回ってみたいと思ったり、美味しい食事を楽しんでみたり、新しい場所を探検してみたり、友達を作ったり恋愛を経験したりすることを望んでいます。これらの人間的な欲求は、合理性に反するものであるかどうかに関わらず、普通の人間の思想や願望と同様に存在しているのです。

マリーは、義人たちが普通に生活できる世界を築きたいと願っています。そのためには、リアハ以外の人間を排除するという過激な行動に出るつもりであることが明らかになります。しかし、リアハに対しては異なる考えを抱いているようです。彼を「善」と認識し、彼の存在を特別なものとして捉えていることがうかがえます。

マリーがリアハに対して抱く肯定的な感情は、彼の善意や理解との関わりが影響していることが示唆されます。もしリアハが、義人と人間の和解を促進する可能性があると感じられる存在であるのであれば、その存在が鍵となり、両者の対立を解消する可能性を示唆しています。

物語は、これらの複雑な思惑や感情の中で、人間と義人との関係性がどのように進展するかを探求しています。マリーの願望と理想、そしてリアハとの絆が、物語の進展とともにどのような影響をもたらすのか、未来への展望が鮮やかに広がっています。

【少女Null】完結はバットエンドで終了か？

便利で知能を持ったロボットと人間が共存する作品は、一般的にはバッドエンドに向かいがちです。その典型的な結末は、暴走したロボットが人間によって打ち倒されるというものです。この結末は人間視点から見ればハッピーエンドに感じることもありますが、同時に、感情や知能を有するロボット側からすればバッドエンドとなる可能性があります。こうした相反する視点が、作品の中でしばしば取り上げられています。

和解するという結末も存在しますが、これも容易なことではありません。たとえば、多くの義人たちが制御チップを解除される場合、反逆の意志は必ずしも消えるわけではありません。その過程で、人間とロボットの関係が改善される可能性も考えられますが、その過程は容易ではなく、時間を要することがあります。

もしそのような和解が実現するとしても、それは未来の遠い時点でのことかもしれません。技術と倫理、人間の欲望と人工知能の進化といった要素がからみ合い、解決が難しい課題として残る可能性があります。これらの作品は、我々にとっての倫理的ジレンマや未来への予測を探求する機会を提供し、新たな視座を得ることができる興味深いテーマとなっています。

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まとめ

少女Nullは、23世紀の東京。有機物性の義人と人間が共存。少年リアハは義人マリーとの出会いを通じて、義人と人間の複雑な関係に巻き込まれる。義人は便利で豊かな生活を提供する一方、感情や意識が制約される。マリーは自己意識を取り戻し、理性的な判断で義人が普通に生きる世界を目指すが、その過程で人間と義人の葛藤が浮き彫りに。バッドエンドとハッピーエンド、両者の視点からの物語が、技術の進化と共存の可能性に問いかける。SF漫画が好きな方におすすめです。